西本真一 エジ本
時として書誌の欧文特殊記号などを無視します
2009年2月28日土曜日
Dodge and Ward-Perkins (eds.) 1992
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J. B. ワード=パーキンズは古代ローマ建築の研究で知られている存在。建築作品だけではなく、それを作り上げている石材にも強い関心を抱き、大理石の研究にも着手しました。 「いにしえの大理石」といったような意味の題名を有する論考集。 Hazel Dodge and Bryan Wa...
2009年2月27日金曜日
Clarke and Engelbach 1930
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古代エジプト建築がどのように造られたかを扱う本で、建築家たちによる専門的な考察が含まれます。このように建築構法を考えた書としては、石造に限ったものとしてD. アーノルドの新しい本が現在ではすでに出ていますが、クラークとエンゲルバッハの本の言わば改訂版に相当する一冊。 クラークとエ...
2009年2月26日木曜日
CoA I-III, 4 Vols. (1923-1951)
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「アケナテン(アクエンアテン)の都市 City of Akhenaten」というのはアマルナのことで、ピートリが19世紀末に中枢部を発掘した後、同じイギリス隊によって私人墓の調査がなされました。次にはドイツ隊が住居地域の発掘を始めましたが、第一次世界大戦により中断。 戦争終了後、...
2009年2月25日水曜日
Klemm and Klemm 2008 (revised ed. of 1993)
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古代エジプトの石切場を扱う唯一の本。ドイツ語で出版されたものが英訳されました。ドイツ語による初版に関し、Journal of Roman Archaeologyの書評論文(review article)で「索引がない」と注文がつけられたりしていた部分は改善されています。 Rose...
2009年2月24日火曜日
Petrie 1894
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エジプトのアマルナ王宮に関する最初の発掘報告書で、最重要となる本。都市の中枢部が掘られ、王宮の大列柱室から見事な床面の彩色画が発見されました。現在、カイロのエジプト考古学博物館の一階の中央吹抜けホールに展示されているのがこれです。 もっとも、すごく大きな家型のガラスケースに覆われ...
2009年2月23日月曜日
Kemp (ed.) 1995
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11年間に渡って刊行され続けたアマルナ・レポートの厚い第6冊目。最近の発掘調査の成果を収めていますが、これ以降、アマルナ・レポートはしばらく刊行されていない模様。近年、成果はむしろモノグラフで出版されています。 もっとも、「次号のアマルナ・レポートで発表する予定」と158ページに...
2009年2月22日日曜日
Kemp and Weatherhead 2000
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アマルナの壁画について,発掘調査隊長と彩色画復原の担当者が最新成果を述べた論文。テラ島(サントリーニ島)の壁画に関する国際シンポジウムにて発表されました。 Barry Kemp and Fran Weatherhead , "Palace Decoratio...
2009年2月21日土曜日
Schijns 2008
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ダクラ・オアシスの煉瓦造建築を扱った本で、ダクラ・オアシス・プロジェクトにおける第10巻目の報告書。かなり前から刊行の予告が出ていた書で、ようやく出版の運びとなったようです。 Wolf Schijns, with contributions from Olaf Kaper and...
2009年2月20日金曜日
Kemp and Vogelsang-Eastwood 2001
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アマルナ王宮都市の外れ、砂漠の方へ入ったところにある労働者集合住居からは、布の断片などが多数見つかりました。約5000点にのぼるというそれらを対象とした分厚い研究報告書。この時代の衣服、また布の織り方を復原しています。 Barry J. Kemp and Gillian Voge...
2009年2月19日木曜日
MMJ 42 (2007)
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ニューヨークのメトロポリタン美術館が刊行している学術雑誌(ISSN 0077-8958)で、年一回発行。美術館の会員向けに年4回、配布される The Metropolitan Museum of Art Bulletin (ISSN 0026-1521)とは異なります。 こ...
2009年2月18日水曜日
Hoepfner und Schwandner 1994
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ギリシア世界における街並みを問う研究書。註の数は700近くに及び、考古学者、文献学者、建築史学者たちが共同して研究を纏めた3巻本のシリーズの最初の本。 300点以上の図版を収めますが、多色刷りを用いて家屋を立体的に描写しており、分かりやすい都市の復原図が並びます。街路の幅や区画の...
2009年2月17日火曜日
Dominicus 2004
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スイス隊によるテーベのメルエンプタハ王の葬祭殿に関する建築調査報告書のうち、第2巻目。壁画レリーフ片の集成で、葬祭殿の部屋ごと、場所ごとに報告をおこなっています。扱っているのは2000点ほどの断片。石造神殿のレリーフ片で大型片が多いため、1/10や1/20という縮尺の図面を駆使し...
2009年2月16日月曜日
Phillips (ed.) 1997 [Festschrift M. R. Bell]
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献呈論文集。ヴァン・シクレン出版社、実はエジプト学者がやっている出版社です。2巻本で、新王国時代に関する論考が集中しています。 Jacke Phillips, with Lanny Bell, Bruce B. William, and James Hoch and Ronald...
2009年2月15日日曜日
BACE 18 (2007)
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BACE の18号についても記しておきます。 8本の論文が掲載されています。 The Bulletin of the Australian Centre for Egyptology ( BACE ), Vol. 18 (2007) 159 p. Contents: Edito...
2009年2月14日土曜日
BACE 19 (2008)
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オーストラリアにおけるエジプト学の研究機関が年に一回出す紀要です。昨日届きました。A5版という小さな判型の若い雑誌。日本で所蔵している箇所は比較的少ないと思われますので、全目次とともに紹介。 The Australian Centre for Egyptologyのサイトは ht...
2009年2月13日金曜日
Roehrig 1995
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テーベにある「王家の谷」の墓の入口に木製の扉が備えつけられるようになった経緯を辿る、画期的な研究。 ツタンカーメンの墓のように、第18王朝では王の墓の入口は塞がれて隠されるのですが、やがて墓室内の装飾が墓内の玄室と付近の諸室だけではなく、入口のすぐ奥にある通廊の壁面や天井にまで及...
2009年2月12日木曜日
Fischer 1996
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文献学者による「エジプト論考」の3冊目。古代エジプトの家具についてもっとも詳しかったひとりでしたが、惜しくも亡くなりました。 Night and Light and the Half-light (Blacksburg, 1999)と題する80ページほどの詩集も晩年に出している...
2009年2月11日水曜日
Sliwa 1975
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古代エジプトの手工芸、特に木工に関する研究書。家具だけではなく、船なども対象に含んでおり、このように包括的に扱うものはきわめて少なく、たいへん貴重です。古代エジプトにおける木工の仕口にも言及。 著者はポーランドの研究者。 Joachim Sliwa , Studies in An...
2009年2月10日火曜日
Eaton-Krauss and Graefe 1985
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ツタンカーメンの墓から出土した、小さな祠堂の模型に関する報告書。 たかだか50cmほどの高さの黄金厨子の模型ひとつの報告だけで、1冊の本が造られています。いくら全面に金箔が貼られているからとは言え、特別に扱われ過ぎですが、しかしこれがツタンカーメン王の墓から出土したものの特色。 ...
2009年2月9日月曜日
Leahy 1978
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マルカタ王宮の詳細な研究には必見の書。 「遺物を飛行機のトランジットでなくしちゃった」と1ページ目には記され、脱力系の報告書でもあります。巻末の対応表を見ると、20片以上なくしてしまったらしい。 王宮の再発掘に伴って出土した文字資料の報告書です。 M. A. Leahy, The...
2009年2月8日日曜日
Hulten 1968
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ニューヨークの近代美術館で開催された「機械展」のカタログ。表紙がブリキでできている特殊な装釘で、本が広げられるように蝶番がついているのが大きな特色。 K. G. Pontus Hulten, The Machine as Seen at the End of the Mechan...
2009年2月7日土曜日
Delft and Botermans 1978
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世界のパズルを集めた本で、1000以上のパズルが紹介されています。「自分でも作れます」と、表紙に印刷されているところが可笑しい。実際、木製の立方体組立パズルの造り方などが、設計図とともに掲載されていたりします。 かなり複雑なかたちに切り欠かれた細い棒をこさえる加工が何本も必要で、...
2009年2月6日金曜日
Morrison 2008
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建築と数学の関連を探る学会があって、2年ごとに国際的な会議を開催していますが、その第7回目の会議録にソロモンの神殿の復原を検討する論文が掲載されています。 Tessa Morrison, "Villalpando's Sacred Architecture in...
2009年2月5日木曜日
Janssen 2009
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A5版の小さな本で「ディール・アル=マディーナ(デル・エル=メディーナ)の家具」という題名を持ちます。ただし図版は一切ありません。 新王国時代のヒエラティックの読み手、ヤンセンによる最新の本。 Jac. J. Janssen , Furniture at Deir el-Medi...
2009年1月31日土曜日
藤原 2008
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フランス極東学院によるカンボジアのクメール学研究史が興味深く語られます。幾人かの高名なフランス人研究者たちについては他の本でも紹介がなされており、また経歴を調べることも可能ですけれども、歴史背景を踏まえて大きな流れを辿ったものはきわめて稀。 藤原貞朗 「オリエンタリストの憂鬱: ...
Polidori, Di Vita, Di Vita-Evrard, and Bacchielli 1998
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リビアにある古代ギリシア・ローマ時代の遺跡を紹介した本。ほとんど全ページにカラー写真が掲載されています。写真家による作品集という趣があるので、遺跡の姿を堪能できます。 Photographies de Robert Polidori, textes de Antonino Di ...
2009年1月30日金曜日
Guksch and Polz 1998 (eds.) [Festschrift R. Stadelmann]
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R. シュタデルマンと言えば、ピラミッド研究の第一人者として良く知られています。その彼の65歳の誕生日を記念しての献呈論文集。名だたる研究者たちが論考を寄せており、古代エジプト建築に関わるものが少なくありません。 D. アーノルド、またW. K. シンプソンの献呈論文集などと並ぶ...
2009年1月29日木曜日
Simpson 1963-1986
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中王国時代に属するパピルス(pReisner)の読解。全4巻からなり、建造計画が記されている部分もあるため、注目される資料です。序文にもありますが、似たような記述は新王国時代にはいくつかあっても、それより前の時代ではきわめて稀となります。 第4巻が出版されたのは、第1巻が出てから...
2009年1月28日水曜日
Koenigsberger 1936
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古代エジプトにおける扉の研究。神殿などは石造で建てられましたが、出入り口の扉は木で造られました。この際には通常の開け閉めができて、なおかつ必要に応じ、開かなくなるような仕組みを考えなければなりません。扉は重いため、柔らかい青銅製の蝶番は役に立ちませんでした。当時は鉄が自由に作れな...
2009年1月27日火曜日
JEA 94 (2008)
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イギリスから刊行されている代表的なエジプト学の専門雑誌、J ournal of Egyptian Archaeology ( JEA )の最新号です。前号からカラー図版が掲載されるようになるなど、体裁がいくらか変更されました。新しい編集者たちによって、投稿しやすくした工夫もうか...
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