西本真一 エジ本
時として書誌の欧文特殊記号などを無視します
2009年12月31日木曜日
Haselberger (ed.) 1999
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人間の眼は垂直や水平の線の知覚に敏感である一方、想像される重量感など、周囲の状況を含んで脳が判断するために、時として曲がったり傾いたりしているという誤った認識がもたらされることがあります。建築を造る際にはこれが支障となり、わざと真っ直ぐであるべき床や梁材をごく僅か、曲げたり傾けた...
2009年12月24日木曜日
Bierbrier 2008 (2nd ed.)
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M. L. ビアブライヤーによる古代エジプト歴史事典の改訂版。全体の約2/3が事典で各項目の短い解説。これにアペンディクスとして参考文献リストなどの諸情報が加わります。 図版はほとんど掲載されていません。 Morris L. Bierbrier , Historical Dict...
村上 2006
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美術家の本。金儲けと美術とを直接結びつけたとして注目を浴び、また反発を覚えた向きもあったのではないかと想像しますが、しかしそのこと自体は、たぶん建築の分野ではあまり珍しいことではありません。建築というのは、基本的に人のお金で建物を造る作業ですから。 そこが個人的には面白いところで...
Davies and Gardiner 1936
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古代エジプトの絵画に関して網羅を図った代表的な著作で、第1巻と第2巻は高さが60cm以上もある大判の書籍。それぞれ50枚以上のきれいな図版を収めています。これもまたルーズリーフ形式で、各図版をバラバラにして見ることができます。全部で104枚の画集。第3巻は文章にて解説。 ニーナ・...
2009年12月23日水曜日
Jéquier 1911
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新王国時代のテーベにおける私人墓の天井画を集めた画集。フリーズ文様も扱っています。 高さが40cmほどの本で、カラー図版を印刷したルーズリーフ形式をとり、バラバラにして見比べることができます。 古くはオーウェン・ジョーンズによる名高い「装飾の文法」( Owen Jones , ...
2009年12月22日火曜日
Frankfort (ed.) 1929
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フランクフォートによるアマルナの壁画集。王宮だけではなく、住居の壁画も掲載しています。 F. G. ニュートン を追悼した刊行物。模写を担当したニュートンのカラー作品の他、デーヴィス夫妻によるものも載っています。 現在では入手の困難な書籍のひとつ。もし今、市場に出たとして...
2009年12月21日月曜日
Kuentz 1932 (CG 1308-1315, 17001-17036)
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" CG "は一般にコンピュータ・グラフィックスを指しますが、 Catalogue General の略称、つまり博物館に収蔵されている遺物の目録を意味する場合が時としてあります。特にエジプト学において、" CGC "とはカイロ・エジプト博...
2009年12月20日日曜日
Arnold 1999
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古代エジプトの末期王朝からグレコ・ローマン時代までの建築を詳しく扱う本。ほとんど類書がありません。アレキサンダー・バダウィが古代エジプト建築史について、それぞれ古王国時代、中王国時代、新王国時代を述べた3巻本を書いており( Badawy 1954-1968 )、末期王朝以降を扱う...
2009年12月19日土曜日
Arnold 1991
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古代エジプトの建築技術に関する、最も権威ある書。出版されてから20年ほど経ちますが、内容はさほど古びていません。 Dieter Arnold , Building in Egypt: Pharaonic Stone Masonry (Oxford University Press...
2009年12月18日金曜日
Badawy 1965
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「古代エジプト建築のデザイン」というタイトルが付けられた書。著者は古代エジプトの建築研究の分野では有名な人で、先王朝時代・古王国時代から新王国時代までにわたる、三巻に及ぶ通史を書いています( Badawy 1954-1968 )。本格的な古代エジプト建築の通史を書いた、最後の研究...
2009年12月17日木曜日
Raven 2003
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エジプトのトゥーム・チャペル(神殿型貴族墓)の計画方法を述べている論考で、メンフィス地域の平地に建つ新王国時代の貴族墓の平面図を分析しています。エジプト学者に対するA. Badawyの本の影響力が知られる論文。 バダウィは Ancient Egyptian Architectur...
2009年12月16日水曜日
Schulz 1911 (reprint 1974)
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イタリアのラヴェンナに建つテオドリクス霊廟は世界遺産にも含まれていますが、この建物に関する論考。 直径が10mちょっとの円筒形をした2階建てで、装飾も控えめな小さい建物ですが、これがなぜ、石造建築の技術を扱う専門書で必ずと言っていいほど登場するのかという理由はまず、ひとつの...
2009年12月15日火曜日
Urk. IV (Urkunden IV) 1906-1961
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古代エジプトにおいて「ルネサンス時代」とも「バロック時代」とも比される、最も華やかな時期であった新王国時代の第18王朝の歴史的な史料を集成した重要な書。 Kurt Sethe がヒエログリフを全部手書きで写した本を出した後に、 Wolfgang Helck がこの大仕事を引き継い...
Adam 2007 (5e éd.)
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古代ローマ時代の建造技術について、詳細をまとめた専門書。もともとはフランス語で書かれ、現在は第5版を重ねており、一方、英訳されたものは第2版をもとに出版されています。 700点以上の図版を収めており、古代ローマ建築の技術に関する基本図書という位置づけ。 Lugli 1957 、 ...
2009年12月14日月曜日
Roueche and Smith (eds.) 1996
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トルコの山中に位置する古代ローマ遺跡アフロディシアスの仮報告書の3冊目。広大な敷地に数多くの施設を有する都市遺構で、外周壁はおよそ1キロメートル四方に及びます。 Charlotte Roueche and R. R. R. Smith (eds.), Aphrodisias ...
Rockwell 1993
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古代エジプトや古典古代時代の石材の加工に関して詳細に述べたもの。著者は彫刻家で、実際に石を用いた彫刻作品を制作しており、彼自身のウェブサイトでそのいくつかを見ることもできます。 エジプトからギリシア、そしてローマ時代までにわたる長い歴史を扱う石の技法書は、きわめて稀有。 Pete...
2009年12月13日日曜日
Rabasa Diaz 2000 (Japanese ed. 2009)
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古代と中世とでは石造建築の造り方が著しく異なり、中世以降の石切りの方法は立体截石術(ステレオトミー)と深く関わることが増えていきます。これは古代の組積方法から変化し、整形した石を積んでいく方法がとられるからで、曲面を交えた複雑な形状を有する屋根を持つ構築物を建てようとする場合...
Choisy 1899 (Japanese ed. 2008)
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オーギュスト・ショワジーの名著「建築史」が和訳されました。 原著が出版されたのは100年以上も前で、世界中の建築の歴史を記述しようとした意欲作として良く知られています。日本や中国の建築にも、また「新世界の建築」として、新たに情報が伝わってきたメキシコやペルーの建築にも触れら...
Coulton 1977 (Japanese ed. 1991)
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古代ギリシア建築の碩学クールトンによる名著。 20世紀初頭まで、建築の計画方法の分析と言えば、平面図や立面図の上に補助線をたくさん描いて、正方形や円(円周率πとの関連の模索)、簡単な比例値の長方形、ファイ(φ:黄金分割比・黄金律。1:1.618)などとの整合を見つけ出すというのが...
Lepsius 1865 (English ed. 2000)
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古代エジプトで使われた尺度について述べられた、きわめて重要な本。にも関わらず、本当は誰も詳しく読んでいなかったという奇妙な経緯があります。 初めての英語訳です。編者が最初に、「世界で初版が9冊だけ確認されている」と書いています。再版も出ていましたが、この英訳が出たおかげでレ...
2009年12月12日土曜日
La Loggia 2009
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大英博物館の古代エジプト・スーダン部局が出している電子ジャーナル、 BMSAES の最新号(第13号)には、2008年に開催された先王朝・初期王朝に関する国際会議の議録が掲載されています。無料で配信されている、不定期刊行の専門雑誌。 http://www.britishmuseu...
2009年12月11日金曜日
Robson and Stedall (eds.) 2009
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「私たちは、この本が皆さんの期待したものとは違っていることを願っています」という、風変わりな書き出しから序文が始められています。数学史に関する分厚い最新刊で、東欧に研究拠点を移した安岡義文さんから教えてもらいました。 "Instead, this book explor...
2009年12月10日木曜日
Imhausen 2007
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古代・中世における、数学についての史料集。最も紙数が割かれているのは、中国の数学についての解説です。 Victor J. Katz (ed.), The Mathematics of Egypt, Mesopotamia, China, India, and Islam: A ...
2009年12月9日水曜日
Clagett 1989-1999
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10年をかけて刊行された「古代エジプトの科学」の全3巻本。アメリカ哲学学会から出版されています。3冊で2000ページ近くに及びますが、ペーパーバックでも出ていますから、比較的安価で入手できるはず。 Marshall Clagett , Ancient Egyptian Scien...
2009年12月8日火曜日
Dormion 2004
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建築家が書いた「クフの部屋:建築学的分析」という本。ドリルでクフ王ピラミッドの内部通路に穴を開ける調査をおこない、以前、大きな騒動を引き起こした2人の張本人のうちの片割れです。 その後20年近く粘り強い考察を進めてきたようで、いわゆる「王妃の間」の下に、別の部屋があるのではないか...
Raven 2005
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20世紀の後半、ツタンカーメン王に仕えていた大物クラスの者たちの墓がメンフィス地域で並んで見つかり、この発見が新王国時代の貴族たちの墓の研究を一挙に推し進めました。 このうち、将軍ホルエムヘブは後に王となって、ツタンカーメンの名前を歴史から抹殺した極悪人。王となる前にメンフィスの...
2009年12月7日月曜日
Hobson 2009
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何と、古代ローマにおけるトイレの専門書です。巻末に地名の索引が用意されているように、西はイギリスから東はシリアまで、また北アフリカのチュニジア・リビアにおける都市遺跡のトイレの類例も集めています。大理石の便座が用意され、下には水を流すための溝が設けられている公衆便所の有様、ま...
2009年11月16日月曜日
ボルヘス 1975 (Japanese ed. 1980)
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『本の形式を問いかける本』ということであれば、ボルヘスの短編「バベルの図書館」に出てくる無限の本棚がまず思い起こされますけれども、この短編集のタイトルにもなっている「砂の本」もまたその変奏。 常軌を逸した本をついに手に入れるものの、後にはそれを図書館へ「捨てに行く」奇妙な話...
エコ 1977 (Japanese ed. 1991)
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「フーコーの振り子」、また映画化された「薔薇の名前」など、広く読まれた小説の作者でもあるこのイタリアの記号論の学徒は、「論文の書き方」という本も出版しています。いかにもウンベルト・エコ(ウンベルト・エーコ)によって記されたらしい書物で、入門書であると同時に、面白い読み物としても成...
Hitchcock 2000
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ミノア建築について論考を重ねているL. A. ヒッチコックの博士論文。副題に出てくる「コンテキスト」というのは美術を解説する時の用語で、20世紀後半から使われるようになりました。 建築の場合には「文脈主義」というように無理して訳され、具体的な敷地の状態から要請されるさまざまな意匠...
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