西本真一 エジ本
時として書誌の欧文特殊記号などを無視します
2011年5月28日土曜日
Fukuoka Style (FS), 30 vols. + 1 supplementary vol. (1991-2001)
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FUKUOKA STYLE (福岡スタイル)という、実に面白い季刊雑誌があったのですが、廃刊になって10年になります。第8回福岡市都市景観賞の特別表彰を受賞。 14号の特集は「石に聞く:九州の石の文化(特別記事:沖縄の石造文化)」ということで、この号はとても面白かった。九...
Shaw 2009 (revised ed. of 1973)
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以前にも取り上げましたけれども、クノッソス、ファイストス、マリア、ザクロスといった有名なクレタ島の宮殿の遺構を中心としたミノア建築に関する建造技術がまとめられた本で、ハードカバーの改訂版が出されました。画期的な書です。 この本の初版に関しては、 Shaw 1973 を参照。 80...
2011年5月27日金曜日
Testa 2009
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古王国時代におけるピラミッドの形態分析を包括的に扱った著作で、 Butler 1998 、 Rossi 2004 のようなピラミッド全般の計画寸法についてのまとめの本もありましたが、久しぶりに厚い書籍が出版されました。 一般の読者向けとは言え、イタリアから発信されるピラミッドの論...
2011年5月26日木曜日
BACE 20 (2009)
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今まで BACE の18号、19号を紹介しながら、20号は無視していたことに遅ればせながら気づいたので、この号の目次のみ転載。 Mahran の論文は、目次では109ページから始まっていることになっていますが、実際には107ページからです。 Bulletin of the Aus...
BACE 21 (2010)
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オーストラリアのエジプト学研究所( Australian Centre in Egyptology: ACE )から刊行されている紀要の最新号。確か、2011年の初頭に送られて来たもの。目次は未だ ACE の方で公開していないようなので、長くなりますが記します。 BACE という...
2011年5月21日土曜日
Tylor 1898
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小さな建物であっても、何年も経ってから、やはり重要だと改めて認識されるものは少なくありません。 エル・カブにあるアメンヘテプ3世の小神殿も、そのひとつ。観光客は至って少なく、レストハウスも一応作られていますけれども、開店している時があるのかどうか不明。 古代エジプト建築の本には、...
2010年12月28日火曜日
Bryn 2010
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「クフ王のピラミッドに関する建造の新解釈」というニュースが欧米を中心に出回ったのは、確か2010年9月下旬ですが、世界のエジプト学者たちが使っているメーリングリスト、 Egyptologists' Electronic Forum (EEF) にてこの知らせが送られて来た...
2010年12月16日木曜日
Testa 2010
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古代エジプトの古王国時代における棺を集め、寸法計画を分析した本です。木棺が8例、石棺が42例。 建築家である著者ならではの考察。CADを用いたカラー図版を用いながら、直方体を呈する棺の寸法と、キュービット王尺(1キュービット=52.5cm)との関連を探っています。 古代エ...
2010年12月5日日曜日
Hawass, Manuelian, and Hussein (eds.) 2010 [Fs. Edward Brovarski]
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E. Brovarski への献呈論文集です。アメリカのボストン美術館から出された展覧会のカタログ、 Edward Brovarski , Susan K. Doll , and Rita E. Freed (eds.), Egypt's Golden Age: The...
2010年11月30日火曜日
Guidotti (ed.) 2002
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「フィレンツェ・エジプト博物館」という名を初めて聞く方も少なくないかもしれない。イタリアに「エジプト博物館」がトリノ以外にあるというのは、まだあんまり広く知られていないように思われます。近年、フィレンツェ考古学博物館が改組され、知る人しか知っていなかった古代エジプトの貴重な所...
Vassilika 2010
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トリノのエジプト博物館へ2年ぶりに行ってみたら、建築家カーとその奥さんのメリトの墓(TT 8)から出土した遺品の展示室が、何倍も大きい別の広間へと移動していました。この夫妻、新王国時代の第18王朝末を生きた上流階級の者たちです。たくさんの家具類が見つかったことで、古代家具史の世界...
2010年10月30日土曜日
Kákosy et al. 2004
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ハンガリー隊による、テーベの私人墓ジェフティメス(TT 32:ラメセス2世時代)に関する2巻本の報告書。 ハンガリーによる古代エジプト調査の歴史は100年を超えており、その過程はたとえば、 Vörös 2007 が個人史と重ねあわせながら示しています。 Studia Aegypt...
2010年10月28日木曜日
Menu (ed.) 2010
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古代エジプトやメソポタミアにおける労働組織を問う国際会議の会議録です。 建造組織、あるいは労働組織を広く追究する分野にとっては、非常に重要な論集であるとみなされる Powell (ed.) 1987 の刊行以降に著された注目すべき出版物で、2004年の会議開催から6年経って、よう...
2010年10月27日水曜日
Mace and Winlock 1916
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メトロポリタン美術館による、エジプト発掘調査報告書シリーズの記念すべき第1巻。リシュトで発見されたセネブティシの墓(中王国時代)に関する報告で、出土した宝飾品の解説も丁寧ですけれども、いったん蓋を閉じたら二度と開かなくなる工夫が施された人型木棺などの図解が注目されます。 ...
2010年10月26日火曜日
Hawass and Wegner (eds.) 2010 [Fs. David P. Silverman]
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今夏の2010年7月中旬、ザマレックのSCAを訪れた時に出版関連の仕事に携わる方から見せてもらい、すぐに注文した本。シルバーマンへの、2巻本の献呈論文集です。 American University in Cairo Pressのサイトにて注文したけれど、そこでは ASAE C...
2010年9月13日月曜日
Shaw 1973
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エジプト学において Shaw というと、イギリスの研究者であるイアン・ショーのことを誰しもが連想するかと思いますが、クノッソスやマリア、ファイストス、あるいはザクロスといった宮殿に代表される、クレタ島を中心として展開されたミノア文明に関わる研究者たちにとっては、まずジョセフ・ショ...
2010年9月12日日曜日
Corinth XX (Williams II and Bookidis eds.) 2003
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コリントス(コリント)は古くから栄えていたポリスのひとつで、古代ローマ時代の建物が多く残っているものの、その下を掘れば古代ギリシアの遺構に突き当たります。古代ギリシアにおいて最重要と考えられる都市遺跡のうちのひとつ。 アメリカ隊は19世紀の終わりからこの地を調査し始め、何冊もの報...
2010年9月11日土曜日
Peschlow-Bindokat 1990
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太宰治の名作「走れメロス」では親友の石工セリヌンティウスという者が登場し、最後にはメロスと音を立ててお互いに殴り合います。互いをどこまで深く信じていたのかについて決着をつける行為。 セリヌンティウスと呼ばれるこの男、 「今は此のシラクスの市で、石工をしている」 と小...
2010年9月8日水曜日
Malacrino 2010 (English ed.)
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ほとんど全ページにカラー図版が用いられており、大変見やすく、限られた分量の中で古代ギリシアと古代ローマにおける建造技術をうまく纏めています。石造建築に限らず、土を用いた構法についても触れている点は重要。土木に関連した遺構についても、いくらかページを割いています。 西洋の古典古代建...
2010年7月13日火曜日
Panagiotaki 1999
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ほぼ100年前にエヴァンスによってなされたクノッソス宮殿の発掘調査を、つぶさに眺めようという試みです。宮殿と言っても、王の居室部分が実際に見つかっているわけでもなく、神殿などの宗教建築とは趣が異なる複合建物をこう呼んでいるだけ。 古代世界の"palace"と言...
2010年7月11日日曜日
Koltsida 2007
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古代エジプトの住居に関する「渡辺篤史の建もの探訪」をやっている感じの研究書。 BAR シリーズの一冊です。 British Archaeological Reports ( BAR )には赤い表紙のInternational Seriesと青い表紙のBritish Seriesと...
2010年7月10日土曜日
Roehrig et al. (eds.) 2005
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エジプトの最も華やかな時代において強大な権力を握った女王のひとり、ハトシェプストに関する展覧会のカタログです。 展覧会はサンフランシスコ美術館、ニューヨーク・メトロポリタン美術館(以下、 MMA )、フォートワース・キンベル美術館の3箇所にて開催されました。いずれもアメリカ...
2010年7月9日金曜日
Davies (ed.) 1991
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大英博物館にエジプトとアフリカを紹介する新たなギャラリーができたことを記念して企画された本で、有名な研究者たちによる論考が30編、集められています。こういうことが実現できる点は、さすが大英博物館の力量。 註の振り方には2種類がうかがわれ、無理して全体の体裁を整えようとしていません...
2010年7月6日火曜日
泉井 1978
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「数」という存在に言語学から触れた書。この書籍をどういう経緯で入手したのか、もう忘れてしまいましたが、今でも時折読み返すことのある印象深い好著です。 日本語では単数と複数との区別があんまりはっきりとはしていません。でも、これを厳密におこなう言葉は多くあります。この傾向は、特に古代...
2010年7月4日日曜日
Herz and Waelkens (eds.) 1988
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古代における大理石の用法を扱った国際学術会議の報告書。古代ローマの石切場、また石の輸出入に関する研究はワード・パーキンスによって本格的に開始されましたが、その遺志を継承しての国際会議。ワード・パーキンスについては、 Dodge and Ward-Perkins (eds.) 19...
Kemp and O'Connor 1974
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水中考古学の専門誌に掲載された、アメンヘテプ3世のマルカタ王宮調査に関する重要な調査報告。マルカタ王宮に関する報告の数は、それほど多くはありません。アクエンアテン(アケナテン)によるアマルナ王宮とは大きく異なる点となります。 アマルナ王宮調査は最初にピートリが手がけ、その後にドイ...
2010年7月2日金曜日
Hawass and Richards (eds.) 2007 (Fs. David B. O'Connor)
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D. B. オコーナーへの献呈論文集。オコーナーについてはアビュドスの重厚な本について触れました( O'Connor 2009 )。ザヒ・ハワース・他が編集し、またSCAから出版された2巻本です。このふたりは共にアメリカのエジプト学者、オコーナーの教え子。 Zahi A....
2010年6月27日日曜日
Bleiberg and Freed (eds.) 1991
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ラメセス2世に関する国際シンポジウムの記録。本の題名は、イギリスの代表的な詩人シェリーの、非常に有名な詩の一節から採られています。 E dward Bleiberg and Rita Freed eds., Fragments of a Shattered Visage: T...
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2010年6月26日土曜日
Hinz 1955
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イスラームでも時代や地域によって度量衡が変わり、特に長さについて調べることは建築の世界では重要な作業となります。しかし、これが案外と見つけ出しにくくて大変。 それらの情報をひとつにまとめた薄い冊子です。 Walther Hinz , Islamische Masse ...
2010年6月25日金曜日
Jomard 1809
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「エジプト誌」の全巻が、今ではネットで見られることについて、すでに Description 1809-1818 にて述べました。ナポレオンによる「エジプト誌」にはテキスト編も含まれており、ジョマールはここに論考を複数、載せています。 欧州に留学中の安岡義文氏による情報。彼...
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