西本真一 エジ本
時として書誌の欧文特殊記号などを無視します
2009年6月15日月曜日
KMT 20:2 (Summer 2009)
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20周年を迎えたアメリカの雑誌の最新号。古代エジプトに関する一般向けの情報誌で、年に4回発行。海外からの購読料は年に47ドル。 カラー写真を多く掲載した体裁によって人気があります。 誌名のkmt 「ケメト」とは、古代エジプト語で『エジプト』のこと。黒い土地という意味に由来します。...
2009年6月9日火曜日
Kemp 2007
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B. ケンプが「死者の書」を一般向けに語った本で、吟味すべき一冊。さほど厚くないペーパーバックの本で、10章から構成されます。 易しく語られていますが、内容は高度。大学院生の教材などで取り上げたりしたら、とっても面白いかも。 Barry Kemp , The Egyptian B...
2009年6月7日日曜日
Veldmeijer 2009
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古代エジプト人がどんな靴を履いていたのかを専門に研究している人の連続論文のうちのひとつ。第16番目の論考。 こういうことを綿密に調べ上げようとしている人は世界に2〜3人しかいないので、最新研究を見れば、既往文献リストのほとんどすべてが入手できます。 ルーヴル美術館のエジプト部門か...
2009年6月6日土曜日
McNicoll 1997
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プラトンの晩年の書「法律」の引用から始められるこの本の第1章は「防御の重要性」。ヘレニズム時代の要塞建築を扱ったもので、分類としては古代ギリシアの軍事建築ということになりますが、古典古代の軍事建築研究というのはけっこうあって、古代エジプト建築の場合と対照的です。 42歳で亡くなっ...
2009年6月5日金曜日
Kramer 2009
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古代エジプトの新王国時代末期、アクエンアテンによるアマルナ時代だけに用いられた定形の小型石材を「タラタート」と呼び、3000年続いたエジプトの石造文化の中では異色。この大きさの石が出土したら、時代が分かると言うことになります。石の寸法を測ったら時代が分かるなどという研究は、世界で...
2009年6月3日水曜日
Vergnieux 1999
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アメンヘテプ4世(アクエンアテン)によるテーベの建物を追究した専門書。二巻本です。 アマルナへ遷都をおこなう前に、この王によってカルナックのアメン大神殿の最奥の部分へ建造物が建立されたのですが、その際、大きさの規格を持つ石材タラタート(あるいはタラッタート)によって積まれました。...
2009年6月2日火曜日
Vergnieux and Gondran 1997
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アメンヘテプ4世(アケナテンもしくはアクエンアテンという名前に変えられる前の王名)がカルナックのアメン大神殿の裏側に作った神殿の復原をおこなっている本。コンピュータ・グラフィックスをたくさん用い、ほとんど全ページにカラー図版があります。 Robert Vergnieux ...
2009年6月1日月曜日
Bietak (Hrsg.) 1996
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古代エジプトの住居、また王宮や宮殿について論じ合った国際会議の記録。主催者はM. ビータックで、テル・エル=ダバァの王宮を発掘した人であり、できる限り広い見地からエジプトの住居や王宮を眺め渡そうとした試みがおこなわれています。 こうした会合はあんまり例がなく、貴重。 M...
2009年5月31日日曜日
Herrmann (ed.) 1996
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古代の家具を調べようとするならば、本書は要諦。 20人以上ほどの専門家が集った国際会議の記録で、エジプト・西アジアにおける家具研究がものすごい勢いで並び、類書がまったくありません。 考古学を一般向けに紹介する Minerva 誌であったか、この会議の模様が短く報告されているはずで...
2009年5月30日土曜日
Baker 1966
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古代家具に関する教科書で、基本中の基本。出版以来、40年以上経ちますが、類書がありません。偉大な書です。 こうした本に対し、ラテン語で"opus magnum"という書き方がされる場合があり、傑出した本に贈られる言葉。字義は「偉大な達成」というほどの意味。 H...
2 件のコメント:
2009年5月29日金曜日
Caputo 1959
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リビアの世界遺産であるサブラタの劇場に関する報告書。「サブラタの劇場とアフリカの劇場建築」という題の本。 G. カプートの著作の中でもっとも参照されているもののうちの一冊ながら、実のところはなかなか見ることが困難な本でしたけれども、古代ローマ時代の劇場建築を網羅した Sear 2...
2009年5月28日木曜日
Österreichischen Archäologischen Institut Wien (ÖAIW) 1953 (2. unveränderte Auflage)
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エフェソスの図書館に関する大判の報告書。基礎資料となります。ウィーン調査隊による一連のエフェソスの報告書を日本で見るには多少の努力を必要とするかも。 東京近辺であったら、中近東の建築報告書については武蔵野の中近東文化センタ−や町田の国士舘大学イラク古代文化研究所などが、豊富な蔵書...
2009年5月27日水曜日
Cerny 1973
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チェルニーの主著。 デル・エル=メディーナ(Deir el-Medina: もしくはディール・アル=マディーナ)が、王家の谷で働いていた者たちの村であるということをいち早く類推した研究者でした。新王国時代のヒエラティックを精力的に読んだ人の本です。カイロ博物館収蔵の土器片・石灰岩...
2009年5月4日月曜日
Samson (ed.) 1990
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「住居」という、誰にでも馴染みのある対象を考古学的に扱った小さな本で、見逃せない書籍。 "All the main schools of social theory are covered, including feminism, marxism, structural...
2009年5月3日日曜日
Demaree and Egberts 1992
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世界最初のストライキがおこなわれたと言われるデル・エル・メディーナ(ディール・アル=マディーナ:専門書においては"DeM"と略されることが多々あります)の研究書。 これは王家の谷を造営した職人たちが住んでいた村で、200年ばかり存続しました。 この村...
2009年5月2日土曜日
Hoffmann et al. (Hrsg.) 1991
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建築の考古学的考察をまとめた本。「古代の建築技術」という原題です。国際会議の報告書で、古代ギリシア・ローマの建築遺構が主として対象にされていますが、P. グロスマンが古代エジプトのローマ期における日乾煉瓦造壁体への木材の積み入れについても論文を寄せています。 Adolf Hoff...
2009年4月30日木曜日
Bietak (Hrsg.) 2001
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古代ギリシア建築と古代エジプト建築との接点を探るため、ウィーンで開催された国際コロキアムの報告書。薄手の本ながら、重要な論考が収められています。コロキアムは、シンポジウムと似たような専門家による会合ですが、より専門性が高く、通常は少人数でおこなわれます。 Manfred Biet...
2009年4月29日水曜日
Romer 2007
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クフ王のピラミッドに関し、最新の情報を盛り込んだ分厚い書。一般向けに何冊も出しているローマーだけあって、読みやすさが工夫されています。 51の断章から構成され、それらの全体を7つの章に分けていますが、こういう書き方は珍しいと言っていい。ひとつひとつの断章は短い記述からなっており、...
2009年4月28日火曜日
Ulrich 2007
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古代ローマ時代の木工を集成し、考察を加えた本。ポンペイとヘラクレネウム、オスティアは住居遺構が残っていることで有名ですが、そこでうかがわれる木材の用法についての調査結果を踏まえています。 Roger B. Ulrich , Roman Woodworking (Yale Univ...
2009年4月27日月曜日
JEA 4, Parts II-III (1917)
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EESがEEFと名乗っていた時代の、イギリスから出ているエジプト学の専門雑誌。刊行されて間もない時期の号で、考えてみればこの頃、ヨーロッパは第一次世界大戦の真っ直中です。こういう時期に、雑誌を刊行する余力を持っていることに驚きます。 この号だけを単独で購入したのは面白い内容に惹か...
2009年4月26日日曜日
Arnold 1990
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エジプトのピラミッドや神殿を建てるのに使われた石には時折、日付や人名がインクで記されていることがあり、これらを研究対象としてモノグラフが構成されるまでになったのはごく最近のことです。たいていこうした文字はひどく荒く書かれており、あまり字を書き慣れていない者が記録を残したのではない...
2009年4月25日土曜日
Ginouves (et Martin) 1985-1998
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古代ギリシア・ローマ建築に関する大系的な事典で、3巻本です。13年をかけて完結しました。フランス・アテネ学院とフランス・ローマ学院との共同作業で、さらにはそこにCNRS(フランス国立科学研究センター)も加わっていますから、フランスの研究者たちの知恵の結集と考えても良いかもしれませ...
2009年4月24日金曜日
Petrie 1897
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ピートリによるルクソール地域における調査報告。「テーベの6つの神殿」と題名をさらっと書いていますが、現在ではこのような大胆な調査は絶対にできません。ナイル川沿いに並ぶ王の記念神殿を、次から次へと渡り歩いています。 見るだけであったら、もちろん可能。しかし発掘をやってるわけで、こう...
2009年4月23日木曜日
Isler 2001
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アメリカに住む著者は1926年生まれで、30年以上、ピラミッドを含む古代エジプトの建造技術に関する研究を独自に進めてきました。その研究の集大成というべき本。彼が75歳の時の本となります。 Martin Isler , foreword by Dieter Arnold , Sti...
2009年4月22日水曜日
Newton 1737
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科学者のアイザック・ニュートンが古代エジプトのキュービットの長さを突き止めていたということが広く知られるようになったのは、 Michael St. John が編集し、 J. Degreef がドイツ語から訳したレプシウスの本が2000年に新しく出てからです( Lepsius...
2009年4月21日火曜日
Greaves 1646
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ギザのピラミッドに関する実測の結果を詳しく伝えたものとしては最古の部類に属する書。この有名な本はマーク・レーナーの「ピラミッド大百科」でも紹介されているので、御存知の方も少なくないかと思われます。ピラミッド学では欠かせぬ基本書となります。 比較的簡単に複写を入手することができ、こ...
2009年4月9日木曜日
EA (Egyptian Archaeology) 34 (Spring 2009)
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数週間前に届いたEESのEA 34号です。たった40ページほどの冊子ですが、いつもの通り、図版が豊富で楽しめます。 Egyptian Archaeology: The Bulletin of the Egypt Exploration Society (EES), No. 34...
Goddio (ed.) 2008 (2nd ed.)
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今年の6月から横浜で開催予定(朝日新聞社主催)の、「海のエジプト展」のもととなる展覧会の英語カタログです。すでにヨーロッパを巡回している展覧会のために作成されたもので、日本での開催にあわせ、いずれ和訳されたカタログがこれから出版されるかと思われます。 原本を見ておくことは重要。 ...
2009年4月7日火曜日
Vandier 1952-1978
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たったひとりの学者によってエジプト学の要覧が作られた例。J. ヴァンディエは20年以上をかけて、古代エジプトの建築・彫刻・浮彫・絵画を網羅しようとしています。 空前絶後とはこのことを言います。これから先、こういう意欲的で無謀な学者が出るかというと、まずは絶望的です。 とうの昔に情...
2009年4月6日月曜日
Kent (ed.) 1990
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スイスからペルーまで、時代も地域も異なる遺構に関する新たな論考。建築学とも深く関連しており、大学教科書として、あるいは副読本として読まれることが目されています。 "Domestic Architecture"を扱うのであって、"Monumental ...
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