西本真一 エジ本
時として書誌の欧文特殊記号などを無視します
2009年7月31日金曜日
Crozat 1997
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ピラミッドの組積に関わる原論を扱おうとした書。第1章で、ピラミッドに関連したこれまでの論を3つに大別し、建造技術に関わるものは第2章で、さらに3つに分類しています。こうした分け方が大胆。 ファルーク・ホスニによる序文つき。 Pierre Crozat , Système cons...
Burchell 1991
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古代家具の重要な本を出した Hollis S. Baker の家具会社の歩みを辿るとともに、それが同時に世界の家具史を語ることにもなっているという、風変わりな本です。 筆者は家具やインテリアを紹介する一般雑誌の編集を勤めた人。 Sam C. Burchell , A Histor...
2009年7月30日木曜日
Spencer 2009
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大英博物館によるエジプトのナイル・デルタの都市に関する発掘調査の最終年次報告書。冊子体ではなく、電子版として配布する形式を取っています。カラー写真が豊富に使え、何よりも安く作成することが可能で、さらには世界中へ簡単に配布できるというのがポイント。 良いこと尽くめのようですが、まだ...
2009年7月29日水曜日
Clark (ed.) 2007
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カンボジアのシェムリアプに行くと、アンコール地域のクメール建築がたくさん見られますが、それらの中で、たぶん最も複雑怪奇な構成を呈しているバイヨン寺院に関する本格的な研究論文集です。数年前から予告されながら、なかなか出版されませんでした。 Joyce Clark ed., Bay...
Arnold 1987
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ダハシュールに残るアメンエムハト3世のピラミッドに関する報告書。泥煉瓦の巨大な塊が残る遺構です。ドイツ考古学研究所カイロ支部(DAIK)からのシリーズの一冊。 「ダハシュール」の綴りは国によって異なったりするので、検索に際しては面倒なところがあります。ここではドイツ語ですからDa...
2009年7月28日火曜日
Shaw and Nicholson (eds.) 2000
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「大英博物館古代エジプト百科事典」で知られている二人組が纏めた「古代エジプト物質材料技術事典」。類書がほとんどありません。 古代技術の全般ということならR. J. Forbesの全9巻のものがありますが、すでに古く、レイデンのブリル社は現在改訂中。またシンガー、他の「技術の歴史」...
Lancaster 2005
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ローマ時代にコンクリートのヴォールト天井がどのように造られたかを詳細に記した本。図版が豊富で、自分で撮影した写真に点線や矢印などを入れて説明をおこなっており、非常に分かりやすい。遺跡のどこをどう見ればいいのか、参考になります。 近代建築の巨匠である建築家ルイス・カーンの文を巻頭に...
2009年7月27日月曜日
Gundlach and Taylor (eds.) 2009
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王の住居に関する国際シンポジウムの報告書。王の家はほとんど全く残っていないので、皆がどう考えているかが興味深いところです。早稲田大学の河合望先生から教えていただいた書籍。 王権に関するシンポジウムの一環として開催され、こうした催しは4回目で、過去の記録は Ägypten und ...
2009年7月26日日曜日
Gabolde (ed.) 2008 (Fs. J.-Cl. Goyon)
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J.-Cl. Goyon が70歳を迎えた記念の献呈論文集。双子のGabolde兄弟のうちのひとりが編集をおこなっています。 41人が執筆。目次はIFAOのウェブサイトにて公開されています。ザヒ・ハワースも古王国時代の彫像について文を寄せています。 Luc Gabolde (t...
2009年7月25日土曜日
O'Connor 2009
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1960年代からアビュドスの発掘調査に関わっている第一人者による、古代エジプトの聖地アビュドスについての非常に詳しい重要な書籍。エジプト学における最も権威ある「エジプト学事典」、 Lexikon der Ägyptologie (LÄ) で「アビュドス」の項を執筆しているのも...
2009年7月24日金曜日
Eyre, Leahy and Leahy (eds.) 1994 (Fs. A. F. Shore)
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献呈論文集のひとつ。題名の"Unbroken reed"、「壊れていないアシ」というのは日本ではちょっと訳が分かりにくい書き方ですが、旧約聖書の中の預言書である「イザヤ書」第42章3節には、 「また傷んだアシを折ることなく、ほの暗い燈火を消すこともなく、真理を...
2009年7月23日木曜日
Spencer 1979
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古代エジプトの煉瓦造建築に関して取り纏めた珍しい本。さまざまな技法が図示されています。スペンサーは中部エジプトにあるアシュムネインの神域の発掘調査を手がけていた人。この本もアシュムネイン調査と関連しており、言わば自分が使うためのカタログを出版したとみなせなくもない。 A. J. ...
2009年7月22日水曜日
Houdin 2006
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クフ王のピラミッドの建造過程に関する新説を披瀝した書。テレビでも番組が放映されています。特徴はピラミッド内に螺旋状のトンネルを構築し、内側から建造していったという、度肝を抜く発想。 Jean-Pierre Houdin , Translated from the French b...
2009年7月21日火曜日
Haring 2006
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前にも触れたことがありますが、エジプト学でTTとは"Theban Tomb"のことで、その第1番がディール・アル=マディーナにあるセンネジェムの墓。2番はその隣の息子たちの墓となります。 センネジェムの墓に記された文字を集成したのがこの本。パレオグラフィ...
2009年7月13日月曜日
Martin 1987
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サッカーラ(サッカラ)でツタンカーメンに仕えた時代の高官ホルエムヘブ(ホレムヘブ)や宝庫長マヤなどの墓を発見した、G. T. マーティンによる新王国時代のレリーフの報告書。ホルエムヘブは後に王となり、テーベの王家の谷に自分の墓を造営しています。 この本、第1巻のみが現在、刊行され...
2 件のコメント:
2009年6月15日月曜日
KMT 20:2 (Summer 2009)
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20周年を迎えたアメリカの雑誌の最新号。古代エジプトに関する一般向けの情報誌で、年に4回発行。海外からの購読料は年に47ドル。 カラー写真を多く掲載した体裁によって人気があります。 誌名のkmt 「ケメト」とは、古代エジプト語で『エジプト』のこと。黒い土地という意味に由来します。...
2009年6月9日火曜日
Kemp 2007
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B. ケンプが「死者の書」を一般向けに語った本で、吟味すべき一冊。さほど厚くないペーパーバックの本で、10章から構成されます。 易しく語られていますが、内容は高度。大学院生の教材などで取り上げたりしたら、とっても面白いかも。 Barry Kemp , The Egyptian B...
2009年6月7日日曜日
Veldmeijer 2009
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古代エジプト人がどんな靴を履いていたのかを専門に研究している人の連続論文のうちのひとつ。第16番目の論考。 こういうことを綿密に調べ上げようとしている人は世界に2〜3人しかいないので、最新研究を見れば、既往文献リストのほとんどすべてが入手できます。 ルーヴル美術館のエジプト部門か...
2009年6月6日土曜日
McNicoll 1997
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プラトンの晩年の書「法律」の引用から始められるこの本の第1章は「防御の重要性」。ヘレニズム時代の要塞建築を扱ったもので、分類としては古代ギリシアの軍事建築ということになりますが、古典古代の軍事建築研究というのはけっこうあって、古代エジプト建築の場合と対照的です。 42歳で亡くなっ...
2009年6月5日金曜日
Kramer 2009
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古代エジプトの新王国時代末期、アクエンアテンによるアマルナ時代だけに用いられた定形の小型石材を「タラタート」と呼び、3000年続いたエジプトの石造文化の中では異色。この大きさの石が出土したら、時代が分かると言うことになります。石の寸法を測ったら時代が分かるなどという研究は、世界で...
2009年6月3日水曜日
Vergnieux 1999
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アメンヘテプ4世(アクエンアテン)によるテーベの建物を追究した専門書。二巻本です。 アマルナへ遷都をおこなう前に、この王によってカルナックのアメン大神殿の最奥の部分へ建造物が建立されたのですが、その際、大きさの規格を持つ石材タラタート(あるいはタラッタート)によって積まれました。...
2009年6月2日火曜日
Vergnieux and Gondran 1997
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アメンヘテプ4世(アケナテンもしくはアクエンアテンという名前に変えられる前の王名)がカルナックのアメン大神殿の裏側に作った神殿の復原をおこなっている本。コンピュータ・グラフィックスをたくさん用い、ほとんど全ページにカラー図版があります。 Robert Vergnieux ...
2009年6月1日月曜日
Bietak (Hrsg.) 1996
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古代エジプトの住居、また王宮や宮殿について論じ合った国際会議の記録。主催者はM. ビータックで、テル・エル=ダバァの王宮を発掘した人であり、できる限り広い見地からエジプトの住居や王宮を眺め渡そうとした試みがおこなわれています。 こうした会合はあんまり例がなく、貴重。 M...
2009年5月31日日曜日
Herrmann (ed.) 1996
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古代の家具を調べようとするならば、本書は要諦。 20人以上ほどの専門家が集った国際会議の記録で、エジプト・西アジアにおける家具研究がものすごい勢いで並び、類書がまったくありません。 考古学を一般向けに紹介する Minerva 誌であったか、この会議の模様が短く報告されているはずで...
2009年5月30日土曜日
Baker 1966
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古代家具に関する教科書で、基本中の基本。出版以来、40年以上経ちますが、類書がありません。偉大な書です。 こうした本に対し、ラテン語で"opus magnum"という書き方がされる場合があり、傑出した本に贈られる言葉。字義は「偉大な達成」というほどの意味。 H...
2 件のコメント:
2009年5月29日金曜日
Caputo 1959
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リビアの世界遺産であるサブラタの劇場に関する報告書。「サブラタの劇場とアフリカの劇場建築」という題の本。 G. カプートの著作の中でもっとも参照されているもののうちの一冊ながら、実のところはなかなか見ることが困難な本でしたけれども、古代ローマ時代の劇場建築を網羅した Sear 2...
2009年5月28日木曜日
Österreichischen Archäologischen Institut Wien (ÖAIW) 1953 (2. unveränderte Auflage)
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エフェソスの図書館に関する大判の報告書。基礎資料となります。ウィーン調査隊による一連のエフェソスの報告書を日本で見るには多少の努力を必要とするかも。 東京近辺であったら、中近東の建築報告書については武蔵野の中近東文化センタ−や町田の国士舘大学イラク古代文化研究所などが、豊富な蔵書...
2009年5月27日水曜日
Cerny 1973
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チェルニーの主著。 デル・エル=メディーナ(Deir el-Medina: もしくはディール・アル=マディーナ)が、王家の谷で働いていた者たちの村であるということをいち早く類推した研究者でした。新王国時代のヒエラティックを精力的に読んだ人の本です。カイロ博物館収蔵の土器片・石灰岩...
2009年5月4日月曜日
Samson (ed.) 1990
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「住居」という、誰にでも馴染みのある対象を考古学的に扱った小さな本で、見逃せない書籍。 "All the main schools of social theory are covered, including feminism, marxism, structural...
2009年5月3日日曜日
Demaree and Egberts 1992
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世界最初のストライキがおこなわれたと言われるデル・エル・メディーナ(ディール・アル=マディーナ:専門書においては"DeM"と略されることが多々あります)の研究書。 これは王家の谷を造営した職人たちが住んでいた村で、200年ばかり存続しました。 この村...
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