西本真一 エジ本
時として書誌の欧文特殊記号などを無視します
2010年7月13日火曜日
Panagiotaki 1999
›
ほぼ100年前にエヴァンスによってなされたクノッソス宮殿の発掘調査を、つぶさに眺めようという試みです。宮殿と言っても、王の居室部分が実際に見つかっているわけでもなく、神殿などの宗教建築とは趣が異なる複合建物をこう呼んでいるだけ。 古代世界の"palace"と言...
2010年7月11日日曜日
Koltsida 2007
›
古代エジプトの住居に関する「渡辺篤史の建もの探訪」をやっている感じの研究書。 BAR シリーズの一冊です。 British Archaeological Reports ( BAR )には赤い表紙のInternational Seriesと青い表紙のBritish Seriesと...
2010年7月10日土曜日
Roehrig et al. (eds.) 2005
›
エジプトの最も華やかな時代において強大な権力を握った女王のひとり、ハトシェプストに関する展覧会のカタログです。 展覧会はサンフランシスコ美術館、ニューヨーク・メトロポリタン美術館(以下、 MMA )、フォートワース・キンベル美術館の3箇所にて開催されました。いずれもアメリカ...
2010年7月9日金曜日
Davies (ed.) 1991
›
大英博物館にエジプトとアフリカを紹介する新たなギャラリーができたことを記念して企画された本で、有名な研究者たちによる論考が30編、集められています。こういうことが実現できる点は、さすが大英博物館の力量。 註の振り方には2種類がうかがわれ、無理して全体の体裁を整えようとしていません...
2010年7月6日火曜日
泉井 1978
›
「数」という存在に言語学から触れた書。この書籍をどういう経緯で入手したのか、もう忘れてしまいましたが、今でも時折読み返すことのある印象深い好著です。 日本語では単数と複数との区別があんまりはっきりとはしていません。でも、これを厳密におこなう言葉は多くあります。この傾向は、特に古代...
2010年7月4日日曜日
Herz and Waelkens (eds.) 1988
›
古代における大理石の用法を扱った国際学術会議の報告書。古代ローマの石切場、また石の輸出入に関する研究はワード・パーキンスによって本格的に開始されましたが、その遺志を継承しての国際会議。ワード・パーキンスについては、 Dodge and Ward-Perkins (eds.) 19...
Kemp and O'Connor 1974
›
水中考古学の専門誌に掲載された、アメンヘテプ3世のマルカタ王宮調査に関する重要な調査報告。マルカタ王宮に関する報告の数は、それほど多くはありません。アクエンアテン(アケナテン)によるアマルナ王宮とは大きく異なる点となります。 アマルナ王宮調査は最初にピートリが手がけ、その後にドイ...
2010年7月2日金曜日
Hawass and Richards (eds.) 2007 (Fs. David B. O'Connor)
›
D. B. オコーナーへの献呈論文集。オコーナーについてはアビュドスの重厚な本について触れました( O'Connor 2009 )。ザヒ・ハワース・他が編集し、またSCAから出版された2巻本です。このふたりは共にアメリカのエジプト学者、オコーナーの教え子。 Zahi A....
2010年6月27日日曜日
Bleiberg and Freed (eds.) 1991
›
ラメセス2世に関する国際シンポジウムの記録。本の題名は、イギリスの代表的な詩人シェリーの、非常に有名な詩の一節から採られています。 E dward Bleiberg and Rita Freed eds., Fragments of a Shattered Visage: T...
2 件のコメント:
2010年6月26日土曜日
Hinz 1955
›
イスラームでも時代や地域によって度量衡が変わり、特に長さについて調べることは建築の世界では重要な作業となります。しかし、これが案外と見つけ出しにくくて大変。 それらの情報をひとつにまとめた薄い冊子です。 Walther Hinz , Islamische Masse ...
2010年6月25日金曜日
Jomard 1809
›
「エジプト誌」の全巻が、今ではネットで見られることについて、すでに Description 1809-1818 にて述べました。ナポレオンによる「エジプト誌」にはテキスト編も含まれており、ジョマールはここに論考を複数、載せています。 欧州に留学中の安岡義文氏による情報。彼...
2010年6月16日水曜日
Wright 1962
›
「訳者あとがき」に記されているように、ベッドはもともと日本にはなかった代物ですので、"lit clos"(造り付けの箱型ベッド)だと言われても、すぐに具体的なかたちを思い起こせる人は少ないかと思われます。例えばディール・アル=マディーナ(デル・エル=メディ...
2010年6月15日火曜日
Sorek 2010
›
古代エジプトのオベリスクに関してはすでに、たくさんの本が出版されています。この欄で触れたものだけでも9冊。 しかしこの他にも多くの論考があって、ピラミッドについての書籍と比べれば数は少ないものの、特に20世紀の後半からは良書が増えています。 「エジプト誌」にもオベリスクの設計基準...
2010年6月14日月曜日
Barnes 2004
›
イギリスにあるオベリスクを集めた本。オベリスクがローマに立っていることに影響を受け、イギリスでは16世紀からエジプトのオベリスクを模して立てるようになります。エドウィン・ラッチェンスやジョン・ソーンなど、有名な建築家たちの名も挙げられており、彼らが建築や庭園へオベリスクを積極的に...
2010年6月12日土曜日
Haring and Kaper (eds.) 2009 / Andrássy, Budka and Kammerzell (eds.) 2009
›
記号によって情報を交換する古代からのシステムを考えようという本が二冊、続けて出されました。双方とも国際会議の記録。ふたつには関連があって、同じ人たちが双方に関わっていたりします。 二冊目の序文には、 "The congress was connected both co...
2010年6月10日木曜日
Ikram and Dodson (eds.) 2009 (Fs. Barry J. Kemp)
›
バリー・ケンプへ捧げられた献呈論文集。40人以上の研究者たちが論考を寄せています。 「地平線の彼方」というタイトルは、ノーベル文学賞を受賞した米国の劇作家ユージン・オニールの名作で知られていますが、ホメロスの「オデュッセイア」でも、冥界のある場所は「地平線(水平線)の彼方」と表現...
2010年6月9日水曜日
Tietze (Hrsg.) 2008
›
題名はずばり、「アマルナ」という本。アクエンアテンとアマルナに関する展覧会がケルンで開催され、そのカタログが出ています。 300点以上の図版を収め、そのほとんどがカラー図版で分かりやすい。 Christian Tietze (Herausgegeben von), mit Be...
2010年6月8日火曜日
Wilkinson 1835
›
エジプト学でウィルキンソンと言えば、19世紀の大旅行家であったと同時に記録魔でもあったこのウィルキンソン卿がまず挙げられるべきですが、もうほとんど引用されなくなってきたおかげで、日本では忘れ去られているようにも見受けられます。 しかしイギリスではエジプト学のパイオニアに該当し、1...
2010年1月23日土曜日
Wilkinson (ed.) 2008
›
アリゾナ大学の教授R. H. ウィルキンソンが編集した本で、この人の執筆による書籍は何冊か、和訳が出版されています。ウィルキンソンについては以前、 JAEI 1:1 (January 2009) でも触れました。 本書の紹介は、すでに永井正勝先生がなされています。 http://...
2010年1月20日水曜日
Wilkinson 1983
›
メトロポリタン美術館のエジプト部門には模写を集めた部屋があって、天井の高い広間の壁面にぎっしりと壁画の写しが展示されています。 「ファクシミリ」は模写のこと。絵の具を使い、壁画を実物通りに描くことを意味します。透明フイルムを壁画の上にかけて、油性マジックで輪郭をなぞる作業は「トレ...
2010年1月19日火曜日
Wilkinson 2000
›
現在7つの断片のみが知られているパレルモ・ストーン関連の纏まった研究書。近年、古代エジプトの国家形成の過程についての研究が盛んになってきて、この影響でエジプトの通史を語るに際してはロゼッタ・ストーンと並んで、良く取り上げられる資料となりつつあります。トリノ・エジプト博物館など...
2010年1月18日月曜日
Croom 2007
›
古代ローマにおける家具の研究書。ポンペイやエルコラーノ(ヘラクレネウム)などの遺跡から見つかっている家具については Mols 1999 のところで触れましたが、ローマの家具全体を概観した本と言うことになると、類書がないように思われます。 著者はイギリスの地方にある博物館の学芸員で...
2010年1月17日日曜日
Sakarovitch 1998
›
スペインのラバサ・ディアス( Rabasa Diaz 2000 (Japanese ed. 2009) を参照)と双璧をなす研究。扱われる時代も重なるところがあります。 ただ、こちらの方は建築書あるいは建築図面というものにこだわっているのが大きな特徴。最初の方で正投象・軸側...
2010年1月16日土曜日
Curto 1984
›
トリノ博物館に収蔵された古代エジプトの名品を次々と紹介する分厚い大型本で、高さは32センチ。図版を多数収めており、カラー写真も時々交えています。イタリア語で書かれていて、 Scamuzzi 1963 、またその2年後に出された英訳版の Scamuzzi 1965 の後に刊行された...
2010年1月15日金曜日
Loubes 1984
›
奇妙な題名の本ですが、「穴居住宅」というほどの意味の造語。地面を掘ってその中に住むというのは現在の日本ではなかなか考え難いことですけれども、ヨーロッパでは今でもそうした住居に住んでいる地域があります。イタリアの世界遺産、マテーラの洞窟住居はその典型。隣の中国でも見られます。もちろ...
2010年1月14日木曜日
McKenzie 1990
›
ヨルダンのペトラ遺跡に関する報告書で、何度も再版が出されている重要な本。マッケンジーによる本の紹介は2冊目です( McKenzie 2007 を参照)。 レヴァントと呼ばれる東地中海岸地域は、古くから交通の要衝で良い場所であったため、諸民族が取り合いを長年続けています。「岩」とい...
2010年1月13日水曜日
Jacques (and Freeman) 1997
›
カンボジア・アンコール遺跡の解説書はたくさんありますが、日本で出ているものは観光の紹介に偏りすぎていたりする本が多く、あまり使いものになりません。この本を書いているクロード・ジャックは、アンコール遺跡の編年研究に筋道をつけたG. セデスの弟子で、碑文学者。プレ・アンコール時代から...
2010年1月12日火曜日
Bruguier 1998-1999
›
カンボジアに残存するすべての遺構に関し、情報の網羅をめざした基礎台帳。最も基本となる文献です。東南アジア建築研究に際しては必携の書。遺構名からも、また著者名からも文献資料を検索することができます。第1巻は著作リストです。また第2巻は遺構番号や遺構名から引くための索引集。 エジプト...
2010年1月11日月曜日
Barletta 2001
›
古典古代建築におけるオーダーの起源をたずねる論考。5つのオーダーのうち、特にドリス式とイオニア式のオーダーについては不明な点が多いと従来、指摘されてきました。改めてこうした問題を探った書。 Barbara A. Barletta , The Origins of the Gree...
2010年1月10日日曜日
Protzen 1993
›
インカ建築の技法書として、真っ先に挙げられる本。エジプトやミケーネなどの石造の例と適宜比較しながら、建造技術を丁寧に解説しています。 人間が石で建物を造る時、その扱いが時期や地域を問わず、半ば普遍的であったことが良く了解されます。 近年、スペイン語訳が出ました。 Jean-Pie...
‹
›
ホーム
ウェブ バージョンを表示