西本真一 エジ本
時として書誌の欧文特殊記号などを無視します
2009年10月3日土曜日
Arnold 2003
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古代エジプト建築事典。もともとはドイツ語で出されたものですが、改訂され、また編集者も加わりましたので、別の本として扱った方が良いように思われます。 Dieter Arnold , translated by Sabine H. Gardiner and Helen Strudw...
2009年10月2日金曜日
Crouch and Johnson 2001
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世界の建築史を学ぼうとする大学の新入生を対象にした本で、副題で良くあらわされている通り、非欧米圏の建築に光が当てられています。アメリカの研究者たちが、それまで情報の欠けていた地域を積極的に取り上げ、また既成の建築史観をも乗り越えようとした企画。 Dora P. Crouch a...
2009年9月30日水曜日
Fleming, Honour, and Pevsner 1998 (5th ed.)
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建築の事典と言えばいくつかがあって、すでに数冊についてはこの欄にて触れましたが、個人が自分の責任で編纂したものは、やはり面白い。 N. ペヴスナーは近代建築に関する目覚ましい著作を刊行した他、英国の歴史的建造物に関する基本台帳46冊( Buildings of England ,...
2009年9月29日火曜日
Vassilika 2009
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閉幕間際の上野のトリノ博物館展に再び行って、今年出版された英語版のガイドブックを購入。薄手の本ですが、良く見たらいろいろと載っています。 近年、館長に就任したE. ヴァシリカによる、トリノ博物館の活性化の一環による刊行物と思われます。 Eleni Vassilika , phot...
2009年9月26日土曜日
Greenlaw 1976 (reprint 1995)
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紅海に面したスーダンの交易港スアキン(サワーキン)における、珊瑚ブロック造のイスラーム建築を扱った報告書。KPI社から出版される20年ほど前の1976年に、私家本という形式ですでに発表されていたとの注記が見られます。長い年月をかけて粘り強く建築調査が進められた成果の結実。 ...
2009年9月25日金曜日
Siliotti 2000
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エジプトのシナイについての、縦長の薄いガイドブック。たった48ページしかないのですが、かなり意欲的にさまざまな内容を盛り込んでおり、これまでたくさんの入門書を手がけてきたA. シリオッティの力量のほどが良く了解される構成となっています。 全ページがカラー。 30エジプトポンドです...
2009年9月24日木曜日
Warner 2005
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カイロの古い街並みで見られるイスラームの歴史的建造物の平面を逐一、大きな地図上に示した労作です。副題では"A Map"となっているけれども、掲載されているのは大版の折り込み地図が31枚。分割されて所収がおこなわれています。 ゲジラ島とローダ島の東方に位置するナ...
2009年9月23日水曜日
Le Quesne 2007
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エジプトの港市クセイルの城塞に関して述べた本。イスラーム時代に属するエジプトの、紅海沿岸の遺跡を詳しく扱った本として注目されます。 16世紀のオスマン朝に建造された砦ですが、何故、紅海沿岸にこのようなものが建てられたかと言えば、海を渡っての交易の拠点となっていたからです。...
2009年9月21日月曜日
Trigger 1993
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エジプトやメソポタミアの他、マヤやインカ、アステカなども含めた7つの初期文明を比較考察した本があります。高名な人類学者ブルース・トリッガーによる著作。幸いなことに、和訳も出ています。 Bruce G. Trigger , Early Civilizations: Ancient ...
2009年9月3日木曜日
HiP (Häuser in Pompeji) 1984-
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ポンペイの家々を一軒ずつ紹介するという、ドイツ考古学研究所(DAI)によるとてつもない企画のシリーズ本。高さが50cmもある大判の書籍で、光沢のある赤い布張りの立派な装丁です。古代ローマの住居建築を探る上では必読書。参考文献リストでは基本書として頻繁に挙げられます。 第1巻のみ、...
Manuelian (ed.) 1996 (Fs. W. K. Simpson)
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エジプト学者W. K. シンプソンへの献呈論文集。70人弱の研究者たちが論考を寄せています。執筆陣の豪華さと圧倒的な量がすばらしい。10年に一度出るか出ないかという充実した内容。アメリカのボストン美術館の力量が存分に発揮されています。 造本はManuelianの手によるもので、編...
2009年9月2日水曜日
Phillips 2002
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古代エジプトの柱の類例を多数集めたもの。L. BorchardtやG. Foucartが100年ほど前に似たことをやっていますが、ここではもっと徹底的に収集がなされています。 図版が中心と言っていい本ですので、見やすい特徴を持っています。 J. Peter Phillips , ...
2009年9月1日火曜日
Janssen 1961
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オランダのライデン(レイデン)博物館とトリノ・エジプト博物館が所蔵するパピルスを述べた研究。「古代エジプトのふたつの航海日誌」という、魅惑的な題名です。J. J. ヤンセンの博士論文。 新王国時代後期のラメセス時代におけるヒエラティック(神官文字)の専門家で、特にディール・アル=...
2009年8月28日金曜日
Crema 1959
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古代ローマ建築を包括的に扱った書で、きわめて充実した内容を示しています。G. ルッリの有名な本、 Lugli 1957 に2年遅れて出版されていますが、建造技法に関して良く纏められています。 Luigi Crema , L'architettura romana . En...
Lugli 1957
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古代ローマ建築の技法を述べた書として重宝な本。分厚い2冊から構成されています。ローマ建築の建造技術についてはJ.-P. アダムが近年、仏語版と英語版で良い本を出していますが、この伊語版も重要。 考古学者はこの伊語の本を引用することが少なくありません。 Giuseppe Lugli...
2009年8月27日木曜日
Gourlay 1981
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トリノ・エジプト博物館展で、手箒を見て思い出した本。植物繊維を用いて造った箒やサンダル、籠、ロープ、マット、網などの類が研究されています。出土はディール・アル=マディーナ(デル・エル=メディーナ)で、ここは新王国時代の「王家の谷」の墓を造営した職人たち(画工・彫工・石工など)が居...
López 1978-1984 (O. Turin)
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トリノ・エジプト博物館に収蔵されている遺物をすべて掲載している書物はまだ存在していません。歴史ある博物館では悩ましい共通した問題。図版を交えてそれらの抜粋が本でまとめて紹介されたのは1963年で、その英訳が2年後にニューヨークから出ています。 Ernesto Scamuzzi ,...
Leospo 2001
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古代エジプトにおける木製の遺物のすべてを扱っているかのようなタイトルですが、家具がかなり含まれています。仕口と継手の図示が注目されるところ。 カラーページが豊富に掲載されており、大変見やすい構成。トリノ・エジプト博物館に収蔵されているものが紹介されている冊子です。 イタリアには保...
2009年8月26日水曜日
Bellinger 2008
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古代エジプトの庭園に関する本が久しぶりにまた出たかと思ったら、思わぬ展開。 庭園史において古代エジプトや西アジアの庭園は最初に記述され、専門書も出ています。この本はしかし、別の趣向を求めている模様。 John Bellinger , Ancient Egyptian Garden...
2009年8月24日月曜日
Assaad and Kolos 1979
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ツタンカーメン王の墓で発見された遺物にうかがわれるヒエログリフの文字列を、分かりやすく読んでいくという薄い冊子。初めてエジプトへ行った時にはこの本がルクソール東岸のガッディス書店に並んでおり、ヒエログリフを自習する上で当時はたいへん役に立ちました。 Hany Assaad an...
2009年8月22日土曜日
KRI (Kitchen, Ramesside Inscriptions) 1969-1990
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古代エジプトの第19王朝と第20王朝とをあわせて「ラメセス時代」と言われますが、この間の歴史的な文字資料を集成した膨大な量の文献。8巻で総計が3000ページを超えています。8巻目は索引ですが、それ以外は全部、ヒエログリフを手書きで筆写しています。 Kenneth A. Kitch...
Málek 1986
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古代エジプトの彫像(人間の姿の彫刻像)は、死んでミイラにされた時の状態をあらわすのであれば両足が揃っていますけれども、それ以外の場合は何故、右足ではなく左足を前に出していることが多いのか。良い質問を数日前に学生のKimieさんから書き込んでいただいて、これが日本語であまり詳細に説...
2009年8月20日木曜日
Rousseau 2001
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エジプトのピラミッドがどう計画されたかを問う書。著者は教職につきながら、技術者・建築家として活躍した人です。 Jean Rousseau , Construire la Grande Pyramide (L'Harmattan, Paris, 2001) 222 p. S...
2009年8月14日金曜日
Ziegler (ed.) 2002
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イタリア・ヴェネツィアのパラッツォ・グラッシにて2002年の9月から12月にかけて開催された「ファラオ」という名の展覧会のカタログ。275点にのぼる遺物によって構成された展覧会です。カラー図版多数。内容もぜいたくな造りの分厚い本。 Christiane Ziegler (ed....
2009年8月13日木曜日
Hodges 1989
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テレビ番組にもなったピラミッドの建造方法に関する新説。著者は1980年に亡くなっており、別の人によって草稿が出版され、この本となったのは9年後。 斜路がここでも検討されています。建築の仕事に携わった人ですから、技術的な話が多いのが特徴。 Perter Hodges , edite...
2009年8月12日水曜日
Killen 1980
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古代エジプトの家具研究を専門とするキレンの第1冊目の本。家具を網羅しようとする姿勢が目次からも容易に推察することができます。箱などを扱う続巻はすでに1994年に出版されました。 古代エジプト家具の基本文献。この時代における仕口について言及されています。 2002年に再版が出ていま...
2009年8月11日火曜日
BAR (Breasted, Ancient Records) 1906-1907
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エジプト学では" B AR "は飲みに行く店ではなく、 Breasted, Ancient Records の略。 ただし、 British Archaeological Reports を略した BAR というシリーズもあって、紛らわしい。 J. H...
2009年8月10日月曜日
Ashabranner 2002
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巨大なオベリスクのかたちをしたワシントンの記念塔を紹介する一般向けの薄い本ですが、面白い指摘があって、見逃せません。発端はマーシュという外交官。 Brent Ashabranner , photographs by Jennifer Ashabranner and histor...
2009年8月8日土曜日
Curran, Grafton, Long, and Weiss 2009
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オベリスクが西欧の世界においてどのように受容されたかを述べたもの。社会学的な意味を持つ研究。ウィーンに留学中の安岡義文さんからの御教示。いろいろと本や論文を教えてくれる方々が周りにいて、当方としては非常に有難い。 Brian A. Curran , Anthony Grafton...
2009年8月7日金曜日
Vanhove 1996
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エーゲ海に浮かぶギリシアのエウボエア島を舞台とする調査で、複数の石切場と、それらを結ぶ運搬路が対象。Bessacによるフランスの石切場の報告書と同じ1996年に出されています( Bessac 1996 )。比較して見ると面白い。 Doris Vanhove , with...
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