西本真一 エジ本
時として書誌の欧文特殊記号などを無視します
2012年6月18日月曜日
Yegül 1995
›
古代ローマの公共浴場については、20世紀末期に出版された包括的な専門の研究書が注目されます。 公共浴場を示すテルマエ thermae は古代ギリシャ語の「テルモス(温かい)」が語源で温浴場の意味。体温計を意味する英語のサーモメーター thermometer や温度を調節する器...
2012年6月2日土曜日
Lavin 1992
›
カトルメール・ド・カンシーに関する博士論文を刊行した書。カトルメール・ド・カンシー Quatremère de Quincy はエコール・デ・ボザール(École des Beaux-Arts 国立高等美術学校)において有力者であった人ですが、古代エジプト建築に関し、早い時代...
2012年4月2日月曜日
Tosi 1999
›
古代エジプトにおける貴族墓に収められた数々の副葬品の量と質によって、彼らが当時占めていた社会的な地位の高さが推し量れるのではないかという論議は昔からありましたけれども、それを数理学的に扱えないかという問いがあって、その土台を構築したのが J. Janssen の主著。 J...
2012年3月30日金曜日
VA (Varia Aegyptiaca) 1985-
›
Varia Aegyptiaca (VA) は高さ20cmほどの、灰色の表紙を装丁とした魅力的な小冊子。基本的に年3回発行。たぶんエジプト学に関わる専門の定期刊行物の中で、もっとも書誌が良く分からなくなっているもののうちのひとつかと感じられます。 かなり昔のこととなります...
2012年3月5日月曜日
Rammant-Peeters 1983
›
OLA のシリーズの中の知られた一冊。 新王国時代の神殿型貴族墓(tomb chapel:トゥーム・チャペル)の背後には、せいぜい高さが数メートルの、小さな規模のピラミッドが造られました。かつてピラミッドは王の墓であったわけですが、新王国時代に至るとその伝統が途絶え、代わりに貴族...
2012年1月31日火曜日
BACE 22 (2011)
›
The Bulletin of the Australian Centre for Egyptology ( BACE ), Vol. 22 (2011)が送られてきました。 背表紙に紙が貼ってあり、誤って2008年と印刷された発行年が2011年に訂正されています。珍しいミス。...
2011年12月31日土曜日
Hartmann 1989
›
古都エルカブとネクベト女神に関する博士論文。 ドイツに留学中の安岡君が手配してくれ、マイクロフィッシュの形態にて頒布されていたこの論考にようやくアクセスすることができました。 註は1150を超え、初期王朝から神殿が造営されたエルカブの長い歴史を論述しています。 エルカブ(Elka...
Shoukry 2010
›
マルカタ王宮に関する最新の論考。 「マルカタ」の綴りは、この論文では"Malqatta"となっており、ここにはアラビア語の表音についての普遍的な難しい問題と、地名の意味をあらわす努力、及びマルカタが位置するルクソールの現地での方言の表記の問題が同時にあらわれ出...
2011年12月29日木曜日
Birch (ed.) 1737 [Works of John Greaves, 2 vols.]
›
クフ王のピラミッドに関する測量は、かなり古くからおこなわれていたようです。 でも外形ではなく、ピラミッド内部の計測となると、まったく別の話。 実測の結果に基づいて、オクスフォード大学の天文学者ジョン・グリーヴス( John Greaves : 1602-1652)は17...
2011年10月12日水曜日
Lepsius 1849-1913
›
Description 1809-1818 のところで述べたように、 C. R. レプシウス (1810-1884)による通称「デンクメーラー」はナポレオンの「エジプト誌」と並び、エジプト学の中では今でも重用される書で、大判の図版を用いた記念碑的な著作。ヒエログリフの記録など...
2011年10月8日土曜日
Zignani 2010
›
デンデラのハトホル神殿に関する建築報告書。この遺構は古代エジプトにおけるグレコ・ローマ時代、すなわちプトレマイオス朝に建立された代表的な神殿です。 この神殿についてはすでに十数冊もの報告書がフランス・オリエント考古学研究所(Institut Français d'Arch...
2011年9月27日火曜日
Zoëga (Zoega) 1797
›
高さが45cmのフォリオ(大判の本)で、全部をあわせると700ページ近くもある大著です。 オベリスクを考える上で大切なこの18世紀の本が、$3,800にて購入できるというページを先ほど見つけました。今は円高ですから30万円ほど。 素直に考えると、安いと思います。・・・買...
2011年9月26日月曜日
Gerner 1995 (French ed. of 1992)
›
木造建築の構法に関して活発に著作を刊行している人の本。フランクフルトの歴史的な木造建築の修復に携わった建築家で、以後、ヒマラヤの木造建築についての書など、世界で見られる木造構法を盛んに研究しています。 Zwerger (English ed. 1997) のところで書名だけ挙げま...
2011年9月25日日曜日
Graubner 1992 (English ed. of 1986)
›
もともとドイツ語で書かれた本の英訳。木工の継手・仕口に関する海外の本では、たびたび引用される書です。日本の継手・仕口が本格的に紹介されています。 Zwerger (English ed.) 1997 のところでも触れました。 "Joinery in Japanes...
2011年9月24日土曜日
Hayes 1935
›
William Hayes の博士論文です。 新王国時代の第18王朝に属する王たちの石館に刻まれている碑文が、古王国時代のピラミッド・テキスト、中王国時代のコフィン・テキスト、またパピルスに記された「死者の書」などと密接な繋がりがあり、長い歴史を引き継いでいることを伝えています。...
2011年9月23日金曜日
Fraser 1996
›
アレキサンダー大王は、アジア遠征の途中で次々と自分の名前をつけた都市を造ったばかりではなく、各都市間を結ぶ交通網の整備も勘案しました。アレキサンドリアという名の都市の数は数十にのぼったという逸話から、この本は語り始められています。 Peter Marshall Fraser , ...
2011年9月21日水曜日
Graffiti de la montagne thébaine (1969-1983)
›
テーベ西岸の懸崖などにうかがわれる新王国時代のグラフィティ(落書き)を集成したもの。 エジプトのドキュメンテーション・センター、Centre de Documentation et d'Études sur l'Ancienne Égypte ( CEDAE )の...
2011年9月18日日曜日
Kircher 1650
›
17世紀の傑人 アタナシウス・キルヒャー については日本でも荒俣宏が紹介をしており、良く知られた研究者ですが、エジプト学の中ではもはや振り返って詳しく読み直そうとする学徒はほとんどいないのでは。 キルヒャーは古代ローマ時代以降、エジプト研究に関していち早く本を刊行している...
2011年9月12日月曜日
Zwerger (English ed.) 1997
›
古代ローマの木工に関する包括的な論考は Ulrich 2007 として纏められていますが、古代エジプトの木工についての集成となると、 前にも記した通り、なかなか 難しい。 Sliwa 1975 が刊行されていますけれども、これが出てからもう35年以上が経過しています。彼はパ...
2011年9月8日木曜日
Pliny the Elder (Gaius Plinius Secundus), Naturalis Historia, Liber XXXVI
›
プリニウスの「博物誌」は当時の百科事典という位置づけで、全部で37巻からなる記述のうち、第36巻では多様な石に関する知見が述べられ、古代エジプトのオベリスクについても具体的な寸法を交えながら触れられています。 ただし、古代ローマにおける尺度で書かれているために換算が必要。またこの...
2011年6月19日日曜日
Petrie 1892
›
ピートリによるメイドゥム地域の調査報告書。 ここには「崩れピラミッド」という通称で知られているものも残っており、彼が何をどう見たか、それが最も面白いところです。出版されてから100年以上が経過しており、情報が古くなっているのは当たり前。しかし何を気にしているのか、自分であったらそ...
2011年5月28日土曜日
Fukuoka Style (FS), 30 vols. + 1 supplementary vol. (1991-2001)
›
FUKUOKA STYLE (福岡スタイル)という、実に面白い季刊雑誌があったのですが、廃刊になって10年になります。第8回福岡市都市景観賞の特別表彰を受賞。 14号の特集は「石に聞く:九州の石の文化(特別記事:沖縄の石造文化)」ということで、この号はとても面白かった。九...
Shaw 2009 (revised ed. of 1973)
›
以前にも取り上げましたけれども、クノッソス、ファイストス、マリア、ザクロスといった有名なクレタ島の宮殿の遺構を中心としたミノア建築に関する建造技術がまとめられた本で、ハードカバーの改訂版が出されました。画期的な書です。 この本の初版に関しては、 Shaw 1973 を参照。 80...
2011年5月27日金曜日
Testa 2009
›
古王国時代におけるピラミッドの形態分析を包括的に扱った著作で、 Butler 1998 、 Rossi 2004 のようなピラミッド全般の計画寸法についてのまとめの本もありましたが、久しぶりに厚い書籍が出版されました。 一般の読者向けとは言え、イタリアから発信されるピラミッドの論...
2011年5月26日木曜日
BACE 20 (2009)
›
今まで BACE の18号、19号を紹介しながら、20号は無視していたことに遅ればせながら気づいたので、この号の目次のみ転載。 Mahran の論文は、目次では109ページから始まっていることになっていますが、実際には107ページからです。 Bulletin of the Aus...
BACE 21 (2010)
›
オーストラリアのエジプト学研究所( Australian Centre in Egyptology: ACE )から刊行されている紀要の最新号。確か、2011年の初頭に送られて来たもの。目次は未だ ACE の方で公開していないようなので、長くなりますが記します。 BACE という...
2011年5月21日土曜日
Tylor 1898
›
小さな建物であっても、何年も経ってから、やはり重要だと改めて認識されるものは少なくありません。 エル・カブにあるアメンヘテプ3世の小神殿も、そのひとつ。観光客は至って少なく、レストハウスも一応作られていますけれども、開店している時があるのかどうか不明。 古代エジプト建築の本には、...
‹
›
ホーム
ウェブ バージョンを表示