西本真一 エジ本
時として書誌の欧文特殊記号などを無視します
2009年10月19日月曜日
Zenihiro 2009
›
日本人の若手研究者が、修士論文を英語で出版した本。 柔らかい藁色のペーパーバックで、表紙では著者名が省かれており、それは序文にも記されていないから、この本を誰が執筆したのかは最後の奥付を見るまではっきりと分かりません。欧米の本と日本の書籍とでは、書誌の印刷されるページが異なるので...
2009年10月18日日曜日
Engelbach 1923
›
アスワーンの未完成のオベリスクに関する報告書を纏めた後、エンゲルバッハは今度は翌年に一般向けの本をニューヨークで出版しています。印刷はしかし、イギリスでなされた模様。 がらりと体裁を変えており、また細かいところでは2冊の本に矛盾する部分もあって、そこが見どころです。 R. Eng...
2009年10月17日土曜日
Engelbach 1922
›
薄い大判の本ですが、オベリスク研究に際しては絶対に欠かすことができない書。1922年はトゥトアンクアメンの墓が見つかった年でもあります。著者のエンゲルバッハは建築家であり、考古学者でもあった人。 R. Engelbach , The Aswan Obelisk: With Som...
2009年10月16日金曜日
Nishi and Hozumi 1985
›
日本の伝統建築を英語で紹介している絵本。日本建築について書いている英語の本は案外と少なくて、探すのに苦労します。 西和夫は建築史家。穂積和夫はイラストレーター。ともに知られたベテラン。 Kazuo Nishi and Kazuo Hozumi , Translated, ada...
2009年10月15日木曜日
太田・飯田・鈴木 1966
›
住宅とは何か、改めて考えると迷宮へと踏み込むことになります。この種のことは、事典で引いて確かめるのが一番。ちょっと古い百科事典を繙くならば、 太田博太郎・飯田喜四郎・鈴木成文 、 「住宅」、 『世界大百科事典』第11巻 (平凡社、1966年) pp. 28-40. が以下の文を記...
2009年10月14日水曜日
Cadogan, Hatzaki and Vasilakis (eds.) 2004
›
2000年に開催されたクノッソス宮殿に関する国際会議の報告書。この年はアーサー・エヴァンスがクノッソスの発掘調査を開始した1900年のちょうど100年後に当たり、記念行事として英語とギリシア語の2ヶ国語を使用言語に定め、開かれました。 刊行までに4年かかっていますが、編者たちにと...
2009年10月13日火曜日
Stocks 2003
›
この著者がカイロのファラオニック・ヴィレッジの技術コンサルタントをやっているなんて、初めて知りました。適任かと思われます。 古代エジプトの石材加工について述べている本で、類書と大きく異なっているのは、著者が自分で工具を作り、実際に試して造ってみていることで、この姿勢が徹底していま...
2009年10月12日月曜日
Kerisel 1987
›
もう最近亡くなってしまいましたが、非常に見識の広かった土木工学者による書。「基礎の過去と現在:建造者による見えない技芸」というその題名が、著者の意図を良くあらわしています。地域・時代を問わず、人間が造った建造物と、それを支えた地盤の研究に一生を捧げた人物です。 Crozat 19...
2009年10月9日金曜日
Iversen 1968-1972
›
オベリスクがヨーロッパに多数渡った顛末を述べた2巻本。 縦長の変型版が採用されており、強い印象を与える刊行物です。1巻目と2巻目との間に4年間の開きがありますが、どうやらイスタンブールのオベリスクを調べていくうちに記述が増えて、当初の出版予定に大きな変更が強いられたらしい。第2巻...
2009年10月8日木曜日
Stadelmann 1991 (2., überarb. und erw. Aufl.)
›
ピラミッドの通史についてエジプト学者が本腰を入れて書いた専門的な刊行物。現在、関連する研究論文においては、もっとも引用される回数が多い本かと思われます。 初版は1985年で、第2版が出回っています。 Rainer Stadelmann , Die ägyptischen Pyra...
2009年10月7日水曜日
Lawrence 1983 (5th ed.)
›
古代ギリシア建築に関する解説書で、良く取り上げられる本。現在流通しているのは第5版で、1957年の初版から、細かくほぼ5年おきに改訂がなされ、1973年の第4版が出た10年後、さらに改訂が重ねられました。ペリカン・ヒストリー・オブ・アートのシリーズの一冊。 Arnold Walt...
2009年10月6日火曜日
Ucko, Tringham and Dimbleby (eds.) 1972
›
非常に広範囲にわたった、集落や都市に関する国際的学会の会議録。全部で1000ページを超えます。錚々たる顔ぶれが揃い、発表がおこなわれています。会議が開催されたのは1970年12月。 時代も地域も異なる集落、また都市というものを、今一度見直そうという試み。これだけ大規模な催し...
2009年10月5日月曜日
Hayes 1937
›
断片的に出土した彩色陶板を報告し、復原考察をおこなったもの。ラメセス2世の宮殿があった場所から見つかった絵付きの飾り板を、そのモティーフや形状によってタイプ別に分け、次いでどこで使われていたかを探っています。 きわめて少ない情報から建築を想像して組み立てていくパズルをやっており、...
Smith 1998 (3rd ed.)
›
50年以上も前の出版ながら、古代エジプトの美術と建築を語る上では今なお基本の書籍。W. K. シンプソンによって改訂がなされました。 最新の版ではカラー写真も掲載されると同時に判型もA4版へと大きく変更され、見やすくなっています。ペーパーバックが出ていますので、美術と建築の双方を...
2009年10月3日土曜日
Arnold 2003
›
古代エジプト建築事典。もともとはドイツ語で出されたものですが、改訂され、また編集者も加わりましたので、別の本として扱った方が良いように思われます。 Dieter Arnold , translated by Sabine H. Gardiner and Helen Strudw...
2009年10月2日金曜日
Crouch and Johnson 2001
›
世界の建築史を学ぼうとする大学の新入生を対象にした本で、副題で良くあらわされている通り、非欧米圏の建築に光が当てられています。アメリカの研究者たちが、それまで情報の欠けていた地域を積極的に取り上げ、また既成の建築史観をも乗り越えようとした企画。 Dora P. Crouch a...
2009年9月30日水曜日
Fleming, Honour, and Pevsner 1998 (5th ed.)
›
建築の事典と言えばいくつかがあって、すでに数冊についてはこの欄にて触れましたが、個人が自分の責任で編纂したものは、やはり面白い。 N. ペヴスナーは近代建築に関する目覚ましい著作を刊行した他、英国の歴史的建造物に関する基本台帳46冊( Buildings of England ,...
2009年9月29日火曜日
Vassilika 2009
›
閉幕間際の上野のトリノ博物館展に再び行って、今年出版された英語版のガイドブックを購入。薄手の本ですが、良く見たらいろいろと載っています。 近年、館長に就任したE. ヴァシリカによる、トリノ博物館の活性化の一環による刊行物と思われます。 Eleni Vassilika , phot...
2009年9月26日土曜日
Greenlaw 1976 (reprint 1995)
›
紅海に面したスーダンの交易港スアキン(サワーキン)における、珊瑚ブロック造のイスラーム建築を扱った報告書。KPI社から出版される20年ほど前の1976年に、私家本という形式ですでに発表されていたとの注記が見られます。長い年月をかけて粘り強く建築調査が進められた成果の結実。 ...
2009年9月25日金曜日
Siliotti 2000
›
エジプトのシナイについての、縦長の薄いガイドブック。たった48ページしかないのですが、かなり意欲的にさまざまな内容を盛り込んでおり、これまでたくさんの入門書を手がけてきたA. シリオッティの力量のほどが良く了解される構成となっています。 全ページがカラー。 30エジプトポンドです...
2009年9月24日木曜日
Warner 2005
›
カイロの古い街並みで見られるイスラームの歴史的建造物の平面を逐一、大きな地図上に示した労作です。副題では"A Map"となっているけれども、掲載されているのは大版の折り込み地図が31枚。分割されて所収がおこなわれています。 ゲジラ島とローダ島の東方に位置するナ...
2009年9月23日水曜日
Le Quesne 2007
›
エジプトの港市クセイルの城塞に関して述べた本。イスラーム時代に属するエジプトの、紅海沿岸の遺跡を詳しく扱った本として注目されます。 16世紀のオスマン朝に建造された砦ですが、何故、紅海沿岸にこのようなものが建てられたかと言えば、海を渡っての交易の拠点となっていたからです。...
2009年9月21日月曜日
Trigger 1993
›
エジプトやメソポタミアの他、マヤやインカ、アステカなども含めた7つの初期文明を比較考察した本があります。高名な人類学者ブルース・トリッガーによる著作。幸いなことに、和訳も出ています。 Bruce G. Trigger , Early Civilizations: Ancient ...
2009年9月3日木曜日
HiP (Häuser in Pompeji) 1984-
›
ポンペイの家々を一軒ずつ紹介するという、ドイツ考古学研究所(DAI)によるとてつもない企画のシリーズ本。高さが50cmもある大判の書籍で、光沢のある赤い布張りの立派な装丁です。古代ローマの住居建築を探る上では必読書。参考文献リストでは基本書として頻繁に挙げられます。 第1巻のみ、...
Manuelian (ed.) 1996 (Fs. W. K. Simpson)
›
エジプト学者W. K. シンプソンへの献呈論文集。70人弱の研究者たちが論考を寄せています。執筆陣の豪華さと圧倒的な量がすばらしい。10年に一度出るか出ないかという充実した内容。アメリカのボストン美術館の力量が存分に発揮されています。 造本はManuelianの手によるもので、編...
2009年9月2日水曜日
Phillips 2002
›
古代エジプトの柱の類例を多数集めたもの。L. BorchardtやG. Foucartが100年ほど前に似たことをやっていますが、ここではもっと徹底的に収集がなされています。 図版が中心と言っていい本ですので、見やすい特徴を持っています。 J. Peter Phillips , ...
2009年9月1日火曜日
Janssen 1961
›
オランダのライデン(レイデン)博物館とトリノ・エジプト博物館が所蔵するパピルスを述べた研究。「古代エジプトのふたつの航海日誌」という、魅惑的な題名です。J. J. ヤンセンの博士論文。 新王国時代後期のラメセス時代におけるヒエラティック(神官文字)の専門家で、特にディール・アル=...
2009年8月28日金曜日
Crema 1959
›
古代ローマ建築を包括的に扱った書で、きわめて充実した内容を示しています。G. ルッリの有名な本、 Lugli 1957 に2年遅れて出版されていますが、建造技法に関して良く纏められています。 Luigi Crema , L'architettura romana . En...
Lugli 1957
›
古代ローマ建築の技法を述べた書として重宝な本。分厚い2冊から構成されています。ローマ建築の建造技術についてはJ.-P. アダムが近年、仏語版と英語版で良い本を出していますが、この伊語版も重要。 考古学者はこの伊語の本を引用することが少なくありません。 Giuseppe Lugli...
2009年8月27日木曜日
Gourlay 1981
›
トリノ・エジプト博物館展で、手箒を見て思い出した本。植物繊維を用いて造った箒やサンダル、籠、ロープ、マット、網などの類が研究されています。出土はディール・アル=マディーナ(デル・エル=メディーナ)で、ここは新王国時代の「王家の谷」の墓を造営した職人たち(画工・彫工・石工など)が居...
‹
›
ホーム
ウェブ バージョンを表示