2009年2月14日土曜日

BACE 19 (2008)


オーストラリアにおけるエジプト学の研究機関が年に一回出す紀要です。昨日届きました。A5版という小さな判型の若い雑誌。日本で所蔵している箇所は比較的少ないと思われますので、全目次とともに紹介。
The Australian Centre for Egyptologyのサイトは

http://www.egyptology.mq.edu.au


で、ここからは"The Rundle Foundation for Egyptian Archaeology Newsletter"も発行されています。

The Bulletin of the Australian Centre for Egyptology (BACE), Vol. 19 (2008)
144 p.

Contents:
Editorial Foreword p. 5
The Church of Deir Abu Metta and a Christian Cemetery in Dakhleh Oasis:
a Brief Report (Gillian E. Bowen) p. 7
Guaranteeing the 'Pac Aegyptiaca'?: Re-assessing the Role of Elite Offspring a Wards and Hostages within the New Kingdom Egyptian Empire in the Levant (Paul J. Cowie) p. 17
Matalworking at Amarna: a Preliminary Report (Mark Eccleston) p. 29
The Excavations at Mut el-Kharab, Dakhleh Oasis in 2008 (C. A. Hope, G. E. Bowen, W. Dolling, E. Healey, O. E. Kaper, J. Milner) p. 49
The Use of Stone in Early Dynastic Egyptian Construction (Angela La Loggia) p. 73
Ceramics at Mut el-Kharab, Dakhleh Oasis: Evidence of a New Kingdom Temple (Richard J. Long) p. 95
The Naos of King Darius I (Heba Mahran) p. 111
New Tombs at el-Mo'alla and the Family of 'Ankhtify' (Yahia el-Masry) p. 119
Theban Tomb 147: its Owner and Erasures Revisited (Boyo G. Ockinga) p. 139

ここ数年、ページ数は一定しており、順調に運営がなされていることがうかがえます。
ダクラ・オアシスに関する研究発表が多いのは、オーストラリアのモナシュ大学にいるC. ホープがここの調査を手がけているためです。発表者をどのように振り分けているかを見るのも面白いところ。

アマルナにおける金属精製の話が掲載されており、これはおそらく速報で、本格的な報告が別に予告されています。ケンプと著者がファイアンスを試作する写真も載っていて面白い。

同じくらい長い論文が「初期王朝のエジプトの建造における石材の使用」で、この論考は最後に該当する遺構の総リストを提示していますから、ピラミッド時代以前における古代エジプトの初期の石造建築を知ろうとする者にとってはたいへん有益な資料となります。修士課程の最後に課された研究をもとにしているらしく、チェックリストとして有用。

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