2009年8月22日土曜日

KRI (Kitchen, Ramesside Inscriptions) 1969-1990


古代エジプトの第19王朝と第20王朝とをあわせて「ラメセス時代」と言われますが、この間の歴史的な文字資料を集成した膨大な量の文献。8巻で総計が3000ページを超えています。8巻目は索引ですが、それ以外は全部、ヒエログリフを手書きで筆写しています。

Kenneth A. Kitchen,
Ramesside Inscriptions (KRI): Historical and Biographical, 8 vols.
(B. H. Blackwell, Oxford, 1969-1990)

Vol. I: xxxii, 416 p.
Vol. II: xxxii, 928 p.
Vol. III: xxxii, 848 p.
Vol. IV: xxxii, 448 p.
Vol. V: xxxii, 672 p.
Vol. VI: xxxii, 880 p.
Vol. VII: xxxii, 464 p.
Vol. VIII: viii, 264 p.

この時期の文字資料はあまりにも数が多すぎて、纏める人が出てこなかったのですが、長い年月をかけて出版が実現されました。現在においてもラメセス時代に属する文字史料は、発掘調査の進展に伴い、増え続けているわけで、終わりのない仕事。

当初は1960年代の末から各巻はいくつもの分冊にて刊行。それ故、初版の刊行年次は複雑です。
さらにこのKRI(7巻+索引)には、題名が似ている続編があって、英語への翻訳を扱うRITAと、注釈を記載したRITANCの2つのシリーズがそれぞれ対応して7巻ずつ、刊行の予定。早稲田隊によるアブシール調査で発見されたカエムワセトの石造建造物に関しても、ある程度、成果を反映させています。
書店のサイトで検索すると、あまり正確ではない近刊の予告も含まれる場合があります。ものすごく情報が錯綜していて、もう何が何だか分からなくなっているのはこうした以上の理由のため。

Kenneth A. Kitchen,
Ramesside Inscriptions: Translated and Annotated.
Translations
(RITA)
(Blackwell, Oxford, 1993-)

現在、第5巻(2008)までが刊行。この最新刊の目次と書評については

http://www.bmcreview.org/2009/07/20090762.html

などを参照。一方、

Kenneth A. Kitchen,
Ramesside Inscriptions: Translated and Annotated.
Notes and Comments
(RITANC)
(Blackwell, Oxford, 1993-)

のシリーズは、第2巻(1998)までが既刊。
KRIの最初の巻が出てから40年が経ちますが、今なお、独力で進められています。信じ難い仕事です。

最初はRITARITANCが交互に出されていたのですが、最も重要であるとみなされるラメセス2世時代を記したRITANCの巻が刊行された後、近年では英訳を扱うRITAのみが先行して出版されるようになりました。時間がより必要とされる注釈を後回しとし、仕事のやり方を変えたのだと思われます。
Kitchenはもうすぐ80歳。

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