ディール・アル=マディーナはフランス隊が長く調査研究を続けてきていますが、もともとはイタリア隊が調査をおこなった場所で、センネジェムの墓(TT 1)や、建築家カーとその妻のメリトの墓(TT 8)などの遺物が多量にトリノ・エジプト博物館でうかがわれるのは、イタリア人考古学者のスキアパレッリたちの活躍に負うところが大きい。
Yvon J.-L. Gourlay,
Les sparteries de Deir el-Médineh:
XVIIIe-XXe Dynasties, 2 vols.
Documents de Fouilles de l'Institut Français d'Archéologie Orientale (DFIFAO), tome XVII/1 et 2.
IF 567A et B
(Publications de l'Institut Français d'årchéologie Orientale, Le Caire, 1981)
Vol. I: Catalogue des techniques de sparterie.
viii, 94 p., XII planches.
Vol. II: Catalogue des objets de sparterie.
v, p. 170, XXII planches.
Table des matières:
Préface, v
Introduction, vii
I. Balais de ménage, p. 1
II. Brosses et Pinceaux, p. 7
III. Garnissage ou revêtement de meuble, p. 13
IV. Cordes et noeuds, p. 21
V. Postiches, p. 27
VI. Nattes, p. 33
VII. Sacs et résilles, p. 37
VIII. Sandales de cordes, p. 55
IX. Anneaux, p. 65
X. Vannerie, p. 69
Indices, p. 157
多種多様の品々が登場し、第1巻では特に技術を扱っているために、例えば上野のトリノ博物館展で展示されているような手箒の作り方が2〜4ページで紹介されています。漁網や、椅子の座に張られるマットも含まれ、豊富な図版によってそれらの作り方が紹介されている他、壁画で見られる籠類も図版に収められています。
W. Wendrichによる研究書のさきがけ。大英博物館が収蔵する縄や籠の類の報告は、また別に出版されています。
IFAOからたくさん出ているディール・アル=マディーナの報告書を全部揃えることは難しく、1930年代中葉までのものが特に品薄です。日本で一番多く持っているのはたぶん東海大学湘南キャンパスの図書館で、次に早稲田大学の本部図書館でしょうか。
B. Bruyèreが執筆した村に関する厚い報告書は、建築学的には非常に重要。時代が降るとともに村が拡張されていく過程が図示されています。
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