斜路がここでも検討されています。建築の仕事に携わった人ですから、技術的な話が多いのが特徴。
Perter Hodges,
edited by Julian Keable,
How the Pyramids were Built
(Aris and Phillips, Warminster, 1989)
xiii, 154 p.
Contents:
Foreword (editor), ix
1. A new look at the pyramids, p. 1
2. Previous building theories, p. 10
3. Raising the stones at Giza, p. 19
4. The craftsmen and their skills, p. 33
5. Setting out a pyramid, p. 39
6. The anatomy of the pyramids, p. 53
7. Building stepped pyramids, p. 65
8. Building the Great Pyramid, p. 73
9. Casing the pyramids, p. 85
10. Further aspects, p. 100
Appendix, p. 107
Editor's additional material
Ramps, p. 119
Levers, p. 133
References, p. 145
Index, p. 151
斜路が問題になるのは、その長大となる規模と、必要になる土砂の量、またその構築によってピラミッド建造そのものが妨げられる可能性があるからです。
しかし見落としてならないのは、現実に斜路がいくつかのピラミッド調査地において見つかっていることで、またマスタバに取り付いた煉瓦造の斜路の図も、絵画資料として残されています。
従って、最大の規模を誇るクフ王のピラミッドでも、やはり同様の斜路が設けられたのか、また設けられたとしたらどのような形式だったのかを問題視する人がいる、ということであって、ピラミッドの建造用斜路の存在を完全に否定することはできません。
著者はてこを多用したのであろうという説を挙げ、実際に自分たちで試しています。
Hodgesは先の曲がったてこを用いていますが、この本の編集者のKeableは先細りのてこでもうまく使えると、付章で報告しています。
編集者のKeableはHodgesの遺稿を良く纏めていて、適宜、註を入れたりしています。自分の調べた知識を披瀝しようと思えば、もっと註を増やせたはず。そうした過剰な記述をやっていません。遺された原稿の出版に、最小限の最新の情報を組み入れようとした跡が良く了解され、好感を覚えます。
Keableの息子のローランドが、熟練の家具職人だそうです。ここでも親戚類縁の使い回し。ま、エジプト学では良くあることなんですが。
オーク材を用い、4本のてこを手作りして、
「1986年のクリスマスの日に、2トン半の石が調達できなかったので、私たちは1.7トンしかないSAAB(の車体)を持ち上げた。いくつかの点が了解された。[中略]
エジプトだったら、もっと楽しめただろうに - この日の朝は雨が降っていた。」(p. 134)
と、この人たちはどこまで真面目なのか、良く分からない。
How the Pyramids were Built
(Aris and Phillips, Warminster, 1989)
xiii, 154 p.
Contents:
Foreword (editor), ix
1. A new look at the pyramids, p. 1
2. Previous building theories, p. 10
3. Raising the stones at Giza, p. 19
4. The craftsmen and their skills, p. 33
5. Setting out a pyramid, p. 39
6. The anatomy of the pyramids, p. 53
7. Building stepped pyramids, p. 65
8. Building the Great Pyramid, p. 73
9. Casing the pyramids, p. 85
10. Further aspects, p. 100
Appendix, p. 107
Editor's additional material
Ramps, p. 119
Levers, p. 133
References, p. 145
Index, p. 151
斜路が問題になるのは、その長大となる規模と、必要になる土砂の量、またその構築によってピラミッド建造そのものが妨げられる可能性があるからです。
しかし見落としてならないのは、現実に斜路がいくつかのピラミッド調査地において見つかっていることで、またマスタバに取り付いた煉瓦造の斜路の図も、絵画資料として残されています。
従って、最大の規模を誇るクフ王のピラミッドでも、やはり同様の斜路が設けられたのか、また設けられたとしたらどのような形式だったのかを問題視する人がいる、ということであって、ピラミッドの建造用斜路の存在を完全に否定することはできません。
著者はてこを多用したのであろうという説を挙げ、実際に自分たちで試しています。
Hodgesは先の曲がったてこを用いていますが、この本の編集者のKeableは先細りのてこでもうまく使えると、付章で報告しています。
編集者のKeableはHodgesの遺稿を良く纏めていて、適宜、註を入れたりしています。自分の調べた知識を披瀝しようと思えば、もっと註を増やせたはず。そうした過剰な記述をやっていません。遺された原稿の出版に、最小限の最新の情報を組み入れようとした跡が良く了解され、好感を覚えます。
Keableの息子のローランドが、熟練の家具職人だそうです。ここでも親戚類縁の使い回し。ま、エジプト学では良くあることなんですが。
オーク材を用い、4本のてこを手作りして、
「1986年のクリスマスの日に、2トン半の石が調達できなかったので、私たちは1.7トンしかないSAAB(の車体)を持ち上げた。いくつかの点が了解された。[中略]
エジプトだったら、もっと楽しめただろうに - この日の朝は雨が降っていた。」(p. 134)
と、この人たちはどこまで真面目なのか、良く分からない。
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