Manfred Bietak (Herausgegeben von),
Archaische Griechische Tempel und Altägypten.
Internationales Kolloquium am 28. November 1997 am Institut für Ägyptologie der Universität Wien.
Untersuchungen der Zweigstelle Kairo des Österreichischen Archäologischen Instituts, Band XVIII
(Verlag der Österreichischen Akademie der Wissenschaften, Wien, 2001).
115 p.
エジプト建築がどこまでギリシア建築に影響を与えたのかに関しては、実は多くが分かっていない状況です。ギリシア建築研究の大御所クールトンも、この点に関しては残念なことにほとんど何も言っていません。
ウィーン大学のM. ビータックのもとで、この会合が開かれている点は注目されるべきです。たぶん彼のところ以外では、こうした企画は困難であると思われます。「古代エジプトにおける住居と王宮」(1996年)が出版された時と同じシリーズにて刊行されました。
地中海を取り巻く諸文明を踏まえた研究調査を進めているビータックならではの書です。
イスミアの前身神殿についての、建造技術を扱った論考は非常に興味深いと思われます。小振りの石を用いて建造された神殿ですが、使用石材には溝が切られており、縄をかけた跡と見られるこの加工痕はきわめて珍しいため、クールトンもかつて言及していました。
ヘーニーやアーノルドといった、有名な学者たちも執筆しています。
G. ヘーニーは、"Tempel mit Umgang"という副題を持つ論文を書いており、これはもちろんボルヒャルトの名高い著作のタイトルを意識したものです。ボルヒャルトに対する注釈と情報の更新という位置づけです。図版多数を所収しています。
D. アーノルドは末期王朝以降の神殿における木製屋根の復原を述べています。彼自身がすでに出版している"The Temples of the Last Pharaohs" (1999)を補完する内容です。これも復原図がたくさん作成されています。