Marvin A. Powell,
Labor in the Ancient Near East.
American Oriental Series, Vol. 68
(American Oriental Society, New Haven, 1987)
xiv, 289 p.
古代エジプトのピラミッド建造に関わる労働者たちということであるならば、例えば、
Ann Rosarie David,
The Pyramid Builders of Ancient Egypt:
A Modern Investigation of Pharaoh's Workforce
(Routledge and Kegan Paul, London, 1986)
x, 269 p.
などが代表的な入門書ですが、パウエル編のこの本では、ピラミッドの石材に残されていたヒエラティックによる書きつけを読んだ上での考察が展開されており、季節としてはいつ働いたのかなど、非常に詳しく検討しています。
シュメールにおける労働については、日本の前川和也先生が執筆なさっています。
Kazuya Maekawa, "Collective Labor Service in Girsu-Lagash:
The Pre-Sargonic and Ur III Periods",
pp. 49-71.
しかし特に注目すべきは、この本の中でもっとも長い文が書かれている新王国時代の労働者組織についての章で、
Christopher J. Eyre,
"Work and the Organisation of Work in the New Kingdom",
pp. 167-221.
は古代エジプトにおける労働組織に関する基本文献。
関係するオストラカ(単数形はオストラコン。石灰岩片や土器片に文字が記されたもの。原義は「蛎殻」)やパピルスを専門に読む学者によって記された論文で、きわめて緻密な内容を示します。デル・エル=メディーナ(ディール・アル=マディーナ)を中心とし、人数、班構成、休日がいつ与えられたか、ストライキの話、掘削作業における明かりの問題、作業記録の方法、配給された品々など、逐一、根拠となる文字資料を挙げている点は素晴らしい。チェルニーによる重要な本、
Jaroslav Cerny,
A Community of Workmen at Thebes in the Ramesside Period.
Bibliotheque d'Etude 50; IF 453
(Institut Francais d'Archeologie Orientale, Le Caire, 1973)
iv, 383 p.
の改訂増補版といった位置づけとなります。
巻末には「重要な古代語」の索引も設けられていて有用。

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