2009年12月14日月曜日

Rockwell 1993


古代エジプトや古典古代時代の石材の加工に関して詳細に述べたもの。著者は彫刻家で、実際に石を用いた彫刻作品を制作しており、彼自身のウェブサイトでそのいくつかを見ることもできます。
エジプトからギリシア、そしてローマ時代までにわたる長い歴史を扱う石の技法書は、きわめて稀有。

Peter Rockwell,
The Art of Stoneworking:
A Reference Guide

(Cambridge University Press, Cambridge, 1993)
x, 319 p.

Contents:

List of photographs (viii)
Acknowledgments (ix)

1 Introduction (p. 1)
2 Principles of stoneworking (p. 8)
3 Stone (p. 15)
4 Tools (p. 31)
5 Tool drawings (p. 55)
6 Methods (p. 69)
7 Architectural process (p. 89)
8 Sculptural process (p. 107)
9 Design and process (p. 127)
10 The project (p. 142)
11 Quarrying (p. 156)
12 Moving, transport and lifting (p. 166)
13 Workshop organization (p. 178)
14 Carving without quarrying and the reuse of stone (p. 187)
15 The history of stoneworking technology (p. 198)
16 Documentation I (p. 207)
17 Documentation II (p. 216)
18 Documentation of major monuments (p. 226)
19 Computer documentation (p. 243)
20 Conclusion (p. 250)

Photographs (p. 254)
Tables (p. 292)
References (p. 299)
Index (p. 309)

彫刻作品の違いに触れているのはもちろんのこと、建材としての石についても触れており、石切場の話、あるいは石材の運搬方法にも言及しています。実際に石を扱って作業をおこなう人ならではの視点が随所にうかがわれ、面白い。石を持ち上げる方法が時代とともに移り変わることを、明瞭な施工上の理由とともに記しているのは特に注目されます。

この彫刻家はトルコのアフロディシアス遺跡における大理石の石切場調査の報告(Roueche and Smith (eds.) 1996)を書いていますし、ミケランジェロの技法に関しても論文を書いている、珍しい作家。
現在は絶版で入手困難の状態。再版が望まれます。記録方法に関するガイド、またコンピュータを使った資料化にも最後に触れており、有用な書。

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