Urkunden IVは全部で22章からなり、Setheは1-16章を、またHelckは17-22章を担当。Helckは訳文までつけるという偉業をなし遂げました。
Setheのものだけを急いで挙げるならば、
Kurt Sethe,
Urkunden der 18. Dynastie.
Historische-biographische Urkunden (Akademie-Verlag, Berlin), 4 Bände
Band 1, vi, 1-314 p.
Band 2, vi, 315-624 p.
Band 3, vi, 625-936 p.
Band 4, vi, 937-1226 p.
と、1000ページ以上にわたる、手書きの本です。驚くべき書物。実際に見てその仕事量を確認すべき。
第18王朝の史料を集めたものが、どうして"IV"、つまり4番目となっているのかは説明が必要です。
もともとこれは、19世紀生まれの碩学Georg Steindorffの編纂による、ドイツで企てられた壮大な
"Urkunden des ägyptischen Altertums"
と呼ばれるシリーズのうちのひとつで、古代エジプト時代の歴史史料を集成しようとした目論み。
英語版のウィキペディアなどでは、8巻からなる構想が紹介されているはずです。ドイツ語版のウィキペディアはもっと詳しい。
"Urk. IV"、と専門家によって略されるこの巻については、まずは英語で書かれている
http://en.wikipedia.org/wiki/Urkunden_der_18._Dynastie
を参照のこと。
Helckによる分冊の英訳について、この英語版のウィキペディアでは、Barbara Cummingが3冊を出した後に、訳者が交代してBenedict G. Daviesが後続巻の3冊を担当し、10年以上前に最後の22章までが出版済みであることを記していません。
この出版物は非常に有名な書籍なので、多くのページで紹介されています。
Michael Tilgnerは、
http://www.egyptologyforum.org/EEFUrk.html
にてダウンロードの可能なリンクを張った最新版のページを作成しており、注目されます。今日、ほとんどの巻がダウンロードできることがこれで了解されます。
リンク先に注目。シカゴ大学のオリエント研究所(OIC: Oriental Institute of Chicago)に多く繋がっています。
この大学が開設している資料集、"ETANA"を使いこなすことはエジプト学のみならず、西アジア研究を進める上でもたいへん重要です。圧倒的な情報を収めたアーカイヴ。改訂の情報は主に"EEF"で配信されます。
Urk. IVの索引が出たのは、何と1988年。
Monika Hasitzka und Helmut Satzinger (Bearbeitet von) / Adelheid Burkhardt,
Urkunden der 18. Dynastie: Indices zu Heften 1-22 / Corrigenda zu den Heften 5-16
(Akademie-Verlag, Berlin, 1988)
119 p.
とても大がかりな仕事です。ですから"1906-1961"という表題における後者の年号は、あくまでもHelckがHeft 22を出版した年で、このシリーズが完結したことを意味していません。
先日、福岡キャンパスの図書館で、久しぶりに手に取って思い出した書。どうかこれらを使いこなす人たちがもっと出てきますように。
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