2009年12月20日日曜日

Arnold 1999


古代エジプトの末期王朝からグレコ・ローマン時代までの建築を詳しく扱う本。ほとんど類書がありません。アレキサンダー・バダウィが古代エジプト建築史について、それぞれ古王国時代、中王国時代、新王国時代を述べた3巻本を書いており(Badawy 1954-1968)、末期王朝以降を扱う第4冊目の刊行が予告されていましたが、結局は出版されませんでした。
30年以上経って、それが実現されたことになります。

Dieter Arnold,
Temples of the Pharaohs
(Oxford University Press, New York, 1999)
viii, 373 p.

王別によって建物が豊富な図版とともに順次紹介されており、たとえば流されてしまって今は失われた、ヤシ柱の列柱室を前面に有するカウ・エル=ケビール(アンタエオポリス)の神殿、あるいはアルマントの誕生殿などは、コンピュータ・グラフィックスによって復原されているという具合。
計画寸法の話、木造屋根の復原考察、柱頭の装飾モティーフの配列など、怠りなく説明されています。

近年はHölblなどが出版を重ねて、グレコ・ローマン時代に関する文献も増えつつあります。

Günther Hölbl,
Altägypten im römischen Reich:
Der römische Pharao und seine Tempel.


Band I:
Römische Politik und altägyptische Ideologie von Augustus bis Diocletian, Tempelbau in Oberägypten
(Philipp von Zabern, Mainz am Rhein, 2000)
v, 122 p.

Band II:
Die Tempel des römischen Nubien
(Philipp von Zabern, Mainz am Rhein, 2004)
iv, 160 p.

Band III:
Heiligtümer und religiöses Leben in den ägyptischen Wüsten und Oasten
(Philipp von Zabern, Mainz am Rhein, 2005)
116 p.

なども有用。
この人は1994年に"Geschichte des Ptolemäerreiches"を書いており、英訳された本、

Günther Hölbl,
translated by Tina Saavedra,
A History of the Ptolemaic Empire
(Routledge, London, 2001)
xxxvi, 373 p., 2 maps.

なども出しています。

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