例えばF. ピートリーがどのような本をかつて出版していたか、調べたい時にはまずこの本から見ればいい。特に弔辞の記事が注目されます。そこでは生涯で1000タイトルほど書いていることが、確か触れられているはずです。
学者が亡くなった時に書かれる弔辞にはたいてい、これまでの研究業績が長々と記されていますから、その参考文献の欄を追えば、リストはすぐさま入手できることになります。
小さな赤い本ですけれども、研究者必携の著作物。
英国のEESから出版されているという点は、面白く思われます。分厚い「紳士録」を出している国からの刊行物です。
M. L. Bierbrier,
Who was Who in Egyptology
(Egypt Exploration Society, London, 1995, 3rd ed.
First published by Warren R. Dawson in 1951)
xiv, 458 p.
日本人の物故者も、新版では掲載されるようになりました。たいへん喜ばしいことです。
最近EESから送られて来た”News and Events: Autumn/Winter 2008”, p. 6を見ると、改訂版が予定されているとのこと。
編者は変わらずBierbrierで、ただこの第4版の題名は、
"A Biographical Index of Egyptologists: of Travellers, Explorers, and Excavators in Egypt; of Collectors and Dealers in Egyptian Antiquities; of Consults, Officials, Authors, Benefactors, and others whose names occur in the Literature of Egyptology, from the year 1500 to the present day, but excluding persons now living"
となるそうで、2010年の出版予定だと書いてあります。
しかし19世紀でもあるまいし、本当にこんな途方もない長い題のまま出版されるのかどうか、はなはだ疑わしい。1500年からの文献も含めるという強い意欲は買いますが、編者のBierbrierももう若くはないはずで、2010年に予定通り、本当に出版されることを望みます。
「版が変わるに当たって、新しい本に誰を掲載するか推薦してください」、と募集しています。新たな情報や写真も欲しがっている模様。当然のことながら「送られてくるもの全部が掲載されるとは限りません」、という断り書きが一方でしてありますけれども、あるいは日本人研究者に関するまとまった情報を送る良い機会かもしれません。
似たような題を持つ本に、
Michael Rice,
Who's Who in Ancient Egypt
(Routledge, London, 1999)
lxi, 257 p.
があります。
こちらの方は、古代エジプトを彩る人物に関する簡単な事典。
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