2010年1月16日土曜日

Curto 1984


トリノ博物館に収蔵された古代エジプトの名品を次々と紹介する分厚い大型本で、高さは32センチ。図版を多数収めており、カラー写真も時々交えています。イタリア語で書かれていて、Scamuzzi 1963、またその2年後に出された英訳版のScamuzzi 1965の後に刊行されたもの。Scamuzziの本については、López 1978-1984 (O. Turin)を参照のこと。

Leospo 2001のところで触れた、Donadoni Roveri (ed.) 1988-1989による3巻本が出る前に出版された本で、Scamuzziによる本をどう改新するかが考えられています。
Curtoのこの本を乗り越えるため、3つのトピックを立ててさらなる書籍が4年後に出されている点も面白い。

Silvio Curto,
L'antico Egitto nel Museo Egizio di Torino
(Tipografia Trinese Editore, Torino, 1984)
367 p.

Indice generale:

Introduzione
La riscoperta dell'Egitto antico (p. 9)
Il deciframento (p. 14)
La ricostruzione della storia (p. 20)
Il Museo Egizio di Torino (p. 22)
Cronologia (p. 29)
Il sistema grafico egizio (p. 32)

La vicenda storica
Le origini (p. 41)
L'Antico Regno (p. 53)
Il Primo Periodo Intermedio (p. 77)
Il Medio Regio (p. 88)
Il Secondo Periodo Intermedio (p. 105)
Il Nuovo Regio (p. 109)
La XVIII dinastia (p. 109)
Il tempio di Ellesija (p. 135)
La XIX e XX dinastia (p. 141)
Deir el-Medina (p. 177)
Kha, architetto della necropoli reale (p. 201)
La religione (p. 219)
I credi e gli usi funerari (p. 244)
Le tecniche e le arti (p. 259)
Il Terzo Period Intermedio (p. 277)
L'epoca tolemaica e romana (p. 289)
L'Egitto bizantico e cristiano (p. 320)

Schede degli oggetti illustrati (p. 337)
Indice alfabetico dei nomi personali (p. 363)
Fonti iconografiche (p. 365)
Note (p. 366)

目次で明らかなように、年代順に、丁寧に追っていく構成がうかがわれます。トリノ博物館では新王国時代の遺物の点数が非常に多いため、このように古代エジプトの歴史を均等に論述することには困難が伴うかと思われるのですが、それをうまくこなしています。
Vassilika 2009ではまた別のやり方をとっていて、思い切って一般向けにハンディなガイドブックを供給しようとしたもの。同じ収蔵品を扱いながら、本としての表現がさまざまに変えられている点が非常に興味深い。
Moiso (ed.) 2008はまた、この博物館に貢献した偉大な考古学者に焦点を当てた本で、トリノ博物館から出版された本のリストも所収。

収蔵品を紹介する本というのは、規模の大きな美術館であるほどやりにくくなるわけですが、トリノ・エジプト博物館ではうまくおこなわれている方です。大英博物館、ルーヴル美術棺、あるいはメトロポリタン美術館などと違って、古代エジプトという時代に収蔵品が特化されている分、利点があるように見受けられます。

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