2010年1月8日金曜日

Linley 1996


そのままズバリ、「ヘンな家具」というタイトルがつけられた本です。常識の度を超した大きな家具、えらく緻密な細工が施された家具、またあちこちが可動で、ハシゴや引き出しが隠されていたり、机の天板が広がったりするもの、その他という内容。

David Linley,
Extraordinary Furniture
(Reed International Books, London, 1996)
192 pp.

ほとんどのページでカラー図版が所収されており、中世から現代までの家具の中から、着目されるものを選んでいます。
著者は自分でも家具を作るために、会社まで立ち上げた人間。はっきり言って、長さが20メートルもある会議用のテーブルを手がけたりしている札付きの変人なので、家具の選び方がもう尋常ではなく、図版を見るだけで楽しめます。

「ただただ、好きなだけで資料を集めたので、学問的でも何でもない」という序文の記し方が、著者の姿勢を良くあらわしています。面白いものについては、皆で情報を共有しましょうよという考え方が明らか。

この本は、トランジットで寄ったタイ・バンコクのドンムアン空港内の本屋で見つけたものです。
買おうか、買わないでおこうかと、書店の棚で本を見つけて迷った際、今では事情の許す限り、できるだけ購入することにしています。あの時に無理してでも買っておけば良かったと、あとになって後悔したことがこれまで何度もありますので。
本屋で新しいものを見つけた、その楽しかった時間を後にもう一度繰り返したいという、その想いだけなんですけれども。

自分の仕事に直接は役立つはずもない書籍ですが、珍しい家具がかつて作られ、またそれに注目するごく少数の熱狂的な人たちがいて、さらに本の出版まで考えてしまうような、とっても奇矯な方もいる、そうしたことに改めて感慨を覚える佳作。

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